派遣社員の辞め方|契約途中で辞められる?伝える相手と時期・バックレのリスク
派遣の仕事を辞めたい。でも、誰に言えばいいのか、契約の途中でも辞められるのか、よく分からない。
派遣社員の退職は、正社員とはルールが少し違います。いちばん大事なのは、伝える相手は派遣先の上司ではなく、派遣会社(派遣元)の担当者だということです。
この記事では、契約満了で辞める場合と、契約の途中で辞めたい場合に分けて、辞め方を整理します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。契約の内容や個別の事情によって扱いは異なります。
まず確認:あなたの雇い主は「派遣会社」
派遣で働いている場合、雇用契約を結んでいるのは派遣会社です。毎日働いている職場(派遣先)は、派遣会社と契約している会社であって、あなたの雇い主ではありません。
| 派遣会社(派遣元) | 派遣先 | |
|---|---|---|
| あなたとの関係 | 雇用契約を結んでいる | 仕事の指示を受ける職場 |
| 給料を払う | 派遣会社 | — |
| 辞めたいと伝える相手 | こちら | 先に伝えない |
派遣先の上司に先に「辞めます」と言ってしまうと、派遣会社と派遣先のあいだで話がこじれる原因になります。まず派遣会社の担当者に伝えてください。
辞め方は3パターン
自分の契約がどれに当てはまるかで、辞め方が変わります。契約の期間は、就業条件明示書(契約のときにもらう書面)で確認できます。
- 契約期間が終わるタイミングで、更新しない(いちばんスムーズ)
- 契約期間の途中で辞める
- 無期雇用派遣(期間の定めがない契約)で辞める
① 契約満了で更新しない場合
いちばんトラブルが少ない辞め方です。契約が終わる日に合わせて、更新しないことを担当者に伝えます。
- 伝える時期:契約が終わる1か月前くらいまでを目安に(派遣会社が次の人を探す時間が必要なため。契約書や就業規則に決まりがあればそちらに従う)
- 理由:詳しく話す必要はない。「契約満了で終了させてください」で十分
- 更新の確認の連絡が来たときに伝えるのが自然
担当者への伝え方の例(電話・メール)
いつもお世話になっております。〇〇社で勤務している△△です。
現在の契約は〇月〇日までとなっていますが、今回は更新せず、契約満了で終了させていただきたいと考えています。
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
② 契約の途中で辞めたい場合
期間の決まった契約は、原則として途中で一方的にやめることはできません。ただし、やむを得ない事由があれば、途中でも契約を終わらせることができます(民法第628条)。
やむを得ない事由と考えられやすい例
- 体調を崩して、働き続けることが難しい
- 家族の介護など、家庭の事情で続けられない
- ハラスメントを受けている
- 契約で決めた仕事内容や条件と、実際がかけ離れている
現実的には「相談して、合意で終わらせる」
実際には、法律で争うより、担当者に事情を相談して、派遣会社と合意のうえで契約を終わらせるケースがほとんどです。派遣会社にとっても、無理に働き続けてもらうより、代わりの人を手配するほうがよいこともあります。
いつもお世話になっております。〇〇社で勤務している△△です。
大変申し訳ないのですが、〇〇の事情で、契約期間の途中ですが退職を考えています。
一度ご相談させていただけないでしょうか。
1年を超える契約なら、1年たったあとはいつでも辞められる
契約期間が1年を超える場合は、契約の初日から1年たったあとなら、申し出ることでいつでも退職できます(労働基準法第137条。一部の専門職などの契約は除きます)。
損害賠償されることはある?
1年未満で途中退職しても、当然に損害賠償されるわけではありません。実際に会社に損害が出ていて、その原因が退職した本人にあるかどうかで判断される、とされています(厚生労働省「確かめよう労働条件」Q&A)。
③ 無期雇用派遣の場合
期間の定めがない契約(無期雇用派遣)なら、正社員と同じく、退職を申し入れてから2週間で辞められるのが法律上の原則です(民法第627条)。ただ、円満に辞めるなら、就業規則の決まり(「1か月前までに申し出る」など)に沿って伝えるのが現実的です。
バックレ(無断で辞める)はやめたほうがいい
「もう行きたくない」「担当者に連絡するのも気が重い」。そう思っても、連絡なしで辞めるのはおすすめしません。
- 働いた分の給料は、辞め方に関係なく受け取る権利がある
- ただし、連絡がつかないままだと、離職票などの書類のやり取りや、貸与物の返却がこじれる
- 同じ派遣会社から次の仕事を紹介してもらいにくくなる
- 損害賠償が認められることは一般には多くないが、トラブルの火種にはなる
バックレのリスクは、仕事をバックレるとどうなる?で詳しく書いています。
自分で伝えるのがどうしても無理なら、退職代行に頼むという方法もあります。派遣会社への連絡を代わりにしてもらえるので、無断で辞めるよりずっと安全です。

辞めたあとの失業保険はどうなる?
派遣で辞めた場合も、条件を満たせば失業保険(雇用保険の基本手当)を受け取れます。注意したいのは、辞め方によって扱いが変わることです。
- 契約満了で、自分は更新を希望したのに更新されなかった:「特定理由離職者」になり、受け取りの条件や時期で有利になることがある
- 自分から更新しなかった・途中で辞めた:理由によって扱いが変わる
- 派遣の場合、派遣会社から次の仕事の紹介があったかどうかで、離職日や離職理由の扱いが変わることがある
離職票が届いたら、離職理由の欄が実際と合っているかを必ず確認してください。違っていたら、ハローワークで異議を伝えられます。
よくある質問

派遣先の上司に先に伝えてしまいました。どうすれば?
すぐに派遣会社の担当者にも連絡して、事情を伝えてください。担当者が派遣先との調整をしてくれます。
辞める理由は正直に言わないといけませんか?
契約満了で更新しないなら、詳しい理由は不要です。途中で辞めたいときは、合意してもらうために事情を説明したほうが話が進みやすいです。ハラスメントなど派遣先に原因がある場合は、担当者に具体的に伝えてください。
契約途中で辞めたら、次の仕事を紹介してもらえなくなりますか?
一律にそうなるわけではありませんが、無断で辞めたり、急に辞めたりすると、紹介してもらいにくくなることはあります。早めに相談して、合意で終えるのがいちばんです。
辞めると伝えたら「契約だから無理」と言われました
やむを得ない事由があることを、具体的に説明してください。それでも話が進まないときは、労働相談の窓口に相談する方法もあります。
派遣をやめて、正社員を目指したいです
派遣での経験は、職務経歴書にそのまま書ける立派な職歴です。派遣から正社員を目指すなら、求人の紹介から応募書類の添削までしてくれる転職エージェントを使うと、ひとりで探すより進めやすくなります。
まとめ
- 伝える相手は派遣先ではなく、派遣会社の担当者
- いちばんスムーズなのは契約満了で更新しないこと。1か月前くらいまでに伝える
- 契約の途中でも、やむを得ない事由があれば辞められる。現実的には相談して合意で終える
- 1年を超える契約なら、1年たったあとはいつでも辞められる
- 途中で辞めても、当然に損害賠償されるわけではない
- 無断で辞めるより、自分で言えないなら退職代行のほうが安全
- 辞めたら、離職票の離職理由が実際と合っているか確認する
派遣を辞めたあと、次は正社員として働きたいなら、早めに動き出すのがおすすめです。

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。契約の内容や個別の事情によって扱いは異なります。

