退職・手続き

退職後にやることチェックリスト|手続きの順番を間違えると取り戻せないお金がある

masahiro

退職した翌日、「何から始めればいいかわからない」という状態になる人は多くいます。

「とりあえず離職票が届くのを待てばいい」「転職先が決まってから手続きすればいい」——その判断が、本来もらえたはずのお金を失う原因になることがあります。

退職後の手続きには期限があるものがあります。特に健康保険の任意継続は「退職後20日以内」という期限を過ぎると、選択肢として永久に使えなくなります。

この記事では、退職後にやることをSTEP別・タイムライン別に整理します。「今自分はどこにいるか」を確認しながら読んでください。

※本記事は2026年6月時点の情報です。制度の詳細・条件は変更されることがあります。手続きの際は各機関(ハローワーク・市区町村・健保組合)で最新情報をご確認ください。


退職後にやること・タイムライン全体像

まず全体の流れを把握してください。

時期やること期限
退職当日〜1週間書類の確認・受け取り
退職後20日以内健康保険の切り替え任意継続は20日以内厳守
退職後14日以内年金の切り替え届14日以内が原則
離職票が届いたら失業手当の申請(ハローワーク)早いほど受給総額が増える
並行して受け取れる給付金の洗い出し給付金ごとに期限が異なる
2〜3か月以内次のキャリアを動かす
翌年2〜3月確定申告(還付金の受け取り)申告期限あり

最初の20日間が最も動きが必要な時期です。


STEP 1|退職当日〜1週間:書類を確認する

退職時・退職後に会社から受け取る書類を確認します。届いていないものは早めに問い合わせてください。

書類使いみち届くタイミング
離職票(1・2)失業手当の申請に必須退職後10〜14日ごろ
雇用保険被保険者証転職先の会社へ提出退職時または郵送
源泉徴収票確定申告に使用退職後1か月以内
健康保険資格喪失証明書国民健康保険の加入手続きに必要退職時または郵送
年金手帳または基礎年金番号通知書国民年金の切り替えに必要手元にあることが多い

離職票が2週間を過ぎても届かない場合は、まず会社に問い合わせてください。対応がない場合はハローワークに相談できます。


STEP 2|退職後20日以内(期限あり):健康保険・年金の切り替え

健康保険の3つの選択肢と選び方

退職日の翌日から、会社の健康保険は使えなくなります。空白期間を作らないよう、すぐに次の保険を選んでください。

健康保険:3つの選択肢

① 任意継続退職前と同じ健康保険を最長2年間継続できます。保険料は会社負担分も自己負担になるため高くなりがちですが、標準報酬月額に上限があるため、高収入だった方は国保より安くなる場合もあります。

申請期限:退職後20日以内。この期限を過ぎると任意継続の選択肢は使えなくなります。

② 国民健康保険前年の所得をもとに保険料が計算されます。失業を理由に軽減申請ができる場合があり、収入が大きく減る年は保険料が下がる可能性があります。

③ 家族の扶養に入る年収が130万円未満の見込みであれば、配偶者や親の健康保険の扶養に入ることができます。自分の保険料負担がなくなるため、該当するならこれが最も有利です。配偶者・扶養者の会社へ確認してください。

どれが安いかは前年の収入・扶養の有無・健保組合の種類によって違います。任意継続の保険料を健保組合に問い合わせ、国保の試算を市区町村窓口で行った上で比較して決めてください。

国民年金への切り替えも忘れずに

会社員(厚生年金加入者)が退職すると、国民年金への切り替え届が必要です。

  • 手続き先:市区町村の窓口(退職後14日以内が原則)
  • 必要書類:年金手帳または基礎年金番号通知書、本人確認書類
  • 保険料の免除・猶予:失業を理由に免除・猶予申請ができる場合があります。収入がない時期に納付が難しければ活用を検討してください

STEP 3|離職票が届いたら:失業手当を申請する

ハローワークで失業手当を申請する流れ

失業手当(基本手当)を受け取るにはハローワークでの申請が必要です。離職票が届いたらすぐに動いてください。申請が遅れるほど、受給できる期間が短くなります。

申請の流れ

  1. 離職票を持って最寄りのハローワークへ(求職申込みも同時に行う)
  2. 雇用保険受給説明会に参加(指定日時がある)
  3. 7日間の待期期間(全員)
  4. 自己都合退職の場合:給付制限期間(2か月程度。一定条件により異なる)
  5. 認定日ごとに失業の認定 → 振り込み

自己都合退職の場合、申請から実際に振り込まれるまで約3か月かかります。退職前からこの期間の生活費を確保しておくことが重要です。

失業手当の受給額・受給期間・申請の詳細はこちら。

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受給中のアルバイトには申告義務がある

受給中にアルバイトをした場合は認定日にハローワークへ申告する必要があります。申告を忘れたり虚偽申告をすると受給停止・返還命令になる場合があります。

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退職後に受け取れるお金:見落とし厳禁リスト

失業手当以外にも、退職後に受け取れる可能性のある給付金や制度があります。自分が対象かどうかを早めに確認してください。

制度対象者ポイント
傷病手当金病気・怪我が原因で退職した方退職前に継続1年以上の健保加入が必要。退職後も最長1年6か月受給できる場合あり
再就職手当早期に再就職した方失業手当の残日数が多いほど一時金が増える
教育訓練給付金指定講座を受講する方受講費用の一部を補助(一般20%・特定一般40%・専門実践最大70%)
職業訓練受講給付金収入が少ない求職者職業訓練を受講しながら月10万円の給付を受けられる場合あり
住居確保給付金家賃の支払いが困難な方一定期間の家賃を自治体が補助

退職後の給付金・制度の全体像はこちらにまとめています。

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病気・怪我が原因で退職した方へ:傷病手当金を先に確認する

うつ病や体調不良で退職した場合、失業手当より先に傷病手当金を確認してください。

失業手当は「就労できる状態にある人」が対象です。一方、傷病手当金は「就労できない状態にある人」が対象で、退職前に継続して1年以上健康保険の被保険者だった場合、退職後も一定期間受給できます。順番を間違えると受給できなくなるケースがあるため、体調が理由の退職ならまずこちらを確認してください。

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STEP 4|2〜3か月以内:次のキャリアを動かす

次のキャリアを考える・転職活動とスキルアップの選択肢

給付金の申請が一段落したら、次のキャリアを具体的に考え始めます。

「早く転職する」が必ずしも得ではないケース

失業手当の受給中に就職が決まると「再就職手当」として一時金を受け取れます。ただし残日数が少ない段階での就職では手当が少なくなり、給付制限期間中に就職した場合は対象外になるなど、タイミングによって受け取れる額が変わります。

「内定が出た。でも失業手当の受給が始まったばかり」——こうした局面ではハローワークに相談しながら動くのが賢明です。

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転職の方向性が決まっている場合

転職エージェントに登録して活動を始めます。在職中より時間が確保できるため、業界・企業研究に集中できるタイミングでもあります。

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「何をしたいかわからない」場合

退職後に「そもそも何がしたいかわからない」という状態になる人は多くいます。その状態で転職エージェントに登録しても、求人を提示されるばかりで方向性は決まりません。

キャリアコーチングで自己理解から始める方が、転職先のミスマッチを防ぐ近道になります。完全無料で受けられるサービスもあります。

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スキルを身につけながら給付を延長する:職業訓練

ハローワーク経由で職業訓練に申し込むと、訓練期間中は失業手当の給付を延長しながら新しいスキルを習得できます。「転職前に学び直したい」「職種を変えたい」という方は検討の価値があります。

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STEP 5|翌年2〜3月:確定申告で還付金を受け取る

確定申告で還付金を受け取る

年の途中で退職した場合、所得税を払いすぎているケースがほとんどです。 確定申告をすれば払いすぎた分が戻ってきます。

  • 年内に再就職した場合:転職先での年末調整で精算される(前職の源泉徴収票が必要)
  • 年内に再就職しなかった場合:2〜3月に自分で確定申告が必要

還付金は退職のタイミングや収入によって数万円になることもあります。「面倒だから」で放置すると、権利があるお金をそのまま国に渡すことになります。

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住民税の切り替えも忘れずに

住民税の切り替えを忘れずに

在職中は給与から天引きされていた住民税は、退職後に自分で納付する形(普通徴収)に変わります。

注意が必要なのは1〜4月に退職した場合です。残りの住民税(最大4か月分)が最終給与から一括徴収されるため、手取りが大きく減ることがあります。退職前に残額を人事・経理に確認しておくと安心です。

5月以降の退職では、原則として普通徴収に切り替わります。市区町村から納付書が届くため、期限を守って支払いましょう。


よくある質問

離職票が届く前に動けることはありますか?

あります。健康保険・年金の切り替えは離職票がなくても手続きできます。健康保険資格喪失証明書と本人確認書類があれば手続き可能です。健康保険は特に期限があるため、離職票を待たず動いてください。

ハローワークにはいつまでに行けばいいですか?

失業手当は申請した日から受給期間がカウントされます。行くのが遅れると受給できる総額が少なくなります。離職票が届いたらできるだけ早く手続きしてください。

退職後すぐ転職する場合、失業手当はもらえませんか?

次の会社の入社日が確定している場合は対象外になるのが原則です。ただし入社日まで空白期間がある場合は申請できる可能性があります。詳細はハローワークで確認してください。

住民税はいつから自分で払う必要がありますか?

退職月によって異なります。1〜4月退職は最終給与から一括徴収、5月以降退職は普通徴収(自分で納付)に切り替わります。市区町村から納付書が届くため見落とさないよう注意してください。

給付金を受け取ることで転職活動に影響しますか?

影響しません。失業手当・傷病手当金・再就職手当などを受給したことを採用面接で聞かれることはなく、履歴書への記載義務もありません。制度として設計された権利ですので、遠慮なく申請してください。


まとめ:退職後にやること・優先順位チェックリスト

最優先(退職後20日以内)

  • [ ] 健康保険の切り替え先を選んで手続きする(任意継続は20日以内)
  • [ ] 国民年金への切り替え届を提出する

離職票が届いたらすぐ

  • [ ] ハローワークへ行き、求職申込みと失業手当の申請を同時に行う

早めに確認

  • [ ] 傷病手当金の対象かどうか確認(病気・怪我が原因の退職・健保加入1年以上)
  • [ ] 再就職手当・教育訓練給付金・職業訓練の対象かどうか確認
  • [ ] 住民税の残額と支払い時期を事前に把握する(1〜4月退職は特に要注意)

2〜3か月以内

  • [ ] 次のキャリアの方向性を考える(転職エージェント or キャリアコーチング)
  • [ ] 再就職のタイミングと再就職手当の関係を確認する

翌年

  • [ ] 確定申告で還付金を受け取る

「退職後の手続きは面倒」という印象がありますが、動かないことで失うお金は確実に存在します。期限のあるものを最優先に、一つずつ進めていきましょう。

退職後に受け取れる給付金の全体像はこちら。

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再就職後に受け取れる再就職手当はこちら。

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※本記事は2026年6月時点の情報です。制度の内容・条件・金額は変更される場合があります。手続きの際は各機関(ハローワーク・市区町村・健保組合)で最新情報をご確認ください。

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