傷病手当金がもらえる人・もらえない人|受給条件をわかりやすく解説
病気やケガで働けなくなったとき、
「傷病手当金ってもらえるの?」
「有給がなくなったらどうしよう…」
「自宅療養でも対象になるの?」
そんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休まなければならなくなった人の生活を支える、大切な制度です。
ただし、誰でも受給できるわけではありません。
今回は、傷病手当金がもらえる人ともらえない人の違いや、受給条件についてわかりやすく解説します。
傷病手当金とは?

傷病手当金は、健康保険に加入している人が病気やケガで働けなくなり、給与を受け取れなくなった場合に支給される制度です。
収入が途絶えてしまう期間の生活を支えるために設けられています。
特に、
- うつ病や適応障害
- 手術後の療養
- 入院治療
- 長期の自宅療養
などで仕事を休む場合に利用されることが多い制度です。
傷病手当金がもらえる人

傷病手当金を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
① 業務外の病気やケガである
傷病手当金の対象となるのは、仕事以外が原因の病気やケガ です。
例えば、
- うつ病
- 適応障害
- がん
- 肺炎
- 骨折
- ヘルニア
などが該当します。
② 仕事ができない状態である
医師の判断などにより、現在の仕事を行うことが難しい状態(労務不能)であることが必要です。
「少し体調が悪い」という程度ではなく、労務不能と判断されることが条件になります。
③ 3日連続で休み、その後も休業している
傷病手当金には、待期期間 と呼ばれるルールがあります。
まず3日間連続で仕事を休み、その後(4日目以降)も休業が続いた場合に支給対象となります。
待期期間のイメージ
- 1日目:休み
- 2日目:休み
- 3日目:休み(ここで待期完成)
- 4日目以降:支給対象
④ 給与が支払われていない、または少ない
傷病手当金は収入を補う制度です。
そのため、休職中も会社から十分な給与が支払われている場合は対象外となります。
ただし、給与が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されることがあります。
⑤ 自宅療養でも対象になることがある
「入院していないともらえない」と思われがちですが、そうではありません。
医師が療養を必要と判断していれば、
- 自宅療養
- 通院治療
でも対象になるケースがあります。
⑥ 退職後も受給できる場合がある
一定の条件を満たしていれば、退職後も傷病手当金を継続して受給できる場合があります。
退職を考えている方にとっては、非常に重要なポイントです。
傷病手当金がもらえない人

一方で、以下のケースでは対象外になる可能性があります。
労災による病気やケガ
仕事中や通勤中の事故・ケガは、傷病手当金ではなく労災保険の対象になります。
美容整形など治療目的ではないもの
美容目的の施術など、病気やケガと認められないものは対象外です。
仕事ができる状態
病気があっても通常どおり働ける状態であれば、支給対象にはなりません。
待期期間が完成していない
3日連続で休んでいない場合は、傷病手当金を受給できません。
例えば、
- 2日休む
- 1日出勤する
- また休む
という場合は、待期期間がリセットされます。
給与が十分支払われている
会社から通常どおり給与が支払われている場合は支給されません。
任意継続中に発生した病気やケガ
退職後に任意継続被保険者となった後で発症した病気やケガについては、原則として新たに傷病手当金は受給できません。
傷病手当金はいくらもらえる?

支給額の目安は、次の式で計算されます。
直近12か月の平均標準報酬月額 ÷ 30 × 3分の2
月給30万円の場合の目安
月給30万円の場合、1日あたり約1万円の給与水準になります。
その約3分の2が支給されるため、1日あたり約6,700円前後 が目安になります。
※実際の金額は標準報酬月額によって異なります。
どれくらいの期間もらえる?

傷病手当金の支給期間は、通算で最長1年6か月 です。
症状が長引いた場合でも、一定期間は生活を支える制度として利用できます。
判断に迷ったら確認したい4つのポイント

傷病手当金の対象かどうかは、次の4つを確認すると判断しやすくなります。
- ① 原因:仕事以外の病気やケガか
- ② 働けるか:現在の仕事ができない状態か
- ③ 待期:3日連続で休んでいるか
- ④ 給与:給与が支払われていないか、減額されているか
まとめ
病気やケガで働けなくなったとき、傷病手当金は生活を支えてくれる心強い制度です。
ただし、
- 業務外の病気やケガ
- 労務不能
- 待期3日完成
- 給与の支払い状況
などの条件を満たす必要があります。
「自分は対象になるのかな?」
「退職後でも受給できる?」
と不安な場合は、一人で悩まず、会社の健康保険担当者や加入している健康保険組合へ相談してみましょう。
早めに確認することで、安心して療養に専念できる環境を整えることができます。
※傷病手当金の受給条件・金額・期間は、個人の状況や加入している健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)によって異なる場合があります。実際の手続きや判断の際は、加入先の健康保険や会社の担当部署で最新の情報をご確認ください。
