試用期間中の退職はできる?即日退職・伝え方・履歴書の書き方まで解説
「入社してすぐだけど、もう辞めたい」「試用期間中なのに退職なんてできるのだろうか」
試用期間はまだ本採用前だから辞めにくい、辞めたら経歴に傷がつく——そう思い込んでいる人は少なくありません。しかし結論から言うと、試用期間中でも退職する権利は他の社員と同じように保障されています。
この記事では、試用期間中の退職が法律上どう扱われるか、即日退職はできるのか、退職理由の伝え方や退職届の要否、履歴書への書き方まで、試用期間中に辞めたい人が知っておくべきことをまとめます。
この記事は2026年7月時点の一般的な情報です。就業規則や個別事情により扱いが異なる場合があります。判断に迷う場合は労働基準監督署や弁護士にご確認ください。
試用期間中でも退職はできる(法的根拠)

試用期間は「本採用するかどうかを見極める期間」であって、労働契約自体はすでに成立しています。そのため、試用期間中の労働者にも、正社員と同じく退職する自由があります。
民法上、期間の定めのない雇用契約(正社員など)は、退職を申し出てから2週間が経過すれば契約を終了できると定められています(民法627条)。試用期間かどうかは関係ありません。
「試用期間中に辞めたら違約金を取られる」「損害賠償を請求される」といった話を聞くことがありますが、労働者からの自由な退職に対して違約金を定める契約自体が労働基準法で禁止されています。不安を煽られても、退職する権利そのものは揺らぎません。
即日退職はできる?

「試用期間 退職 即日」という悩みを持つ人は多いですが、原則は次の通りです。
- 原則:退職の意思表示から2週間は雇用契約が続く(民法627条)
- 例外①:会社が即日退職に合意すれば、その日で終了できる(合意退職)
- 例外②:契約書に定めのない過酷な労働環境など、やむを得ない事由があれば即日退職が認められる場合がある(民法628条)
つまり、法律上は「申し出た瞬間に辞められる」わけではありませんが、会社側が引き止めずに合意してくれれば即日退職は十分現実的です。試用期間中は現場への影響が比較的小さいこともあり、会社側も引き止めに強くこだわらず合意するケースが多く見られます。
「言い出しにくい」「引き止められそうで不安」という場合は、退職代行を使えば即日から出社せずに退職手続きを進められます。

退職理由の伝え方

試用期間中の退職で角が立ちにくい伝え方のポイントは2つです。
①会社への不満より、自分側の事情として伝える
「思っていた仕事内容と違った」「体調が続かない」「他にやりたいことが見つかった」など、会社を否定しない言い方にすると、引き止めや詮索を受けにくくなります。
②結論から先に、簡潔に伝える
試用期間中はまだ関係性が浅い分、長い説明よりも「大変申し訳ないのですが、一身上の都合により退職させていただきたく、ご相談です」と結論を先に伝えるほうが、話がスムーズに進みます。
なお、会社側から「能力不足だから辞めてほしい」と言われるケース(退職勧奨)は、この記事で扱う「自分から辞めたい」ケースとは別物です。退職勧奨に応じるかどうかは労働者側の自由であり、納得できない場合は安易に応じる必要はありません。強要が続く場合は、後述の労基署への相談も検討してください。
退職届は必要?

「試用期間 退職届 いらない」と検索されるように、法律上は口頭の意思表示だけでも退職の効力は発生します。ただし、次のような理由から書面(退職届)を出しておくほうが安全です。
- 「言った・言わない」のトラブルを防げる
- 退職日を明確にできる(後の離職票・社会保険手続きに関わる)
- 会社の就業規則で「書面提出」が定められている場合がある
まずは就業規則を確認し、指定の様式があればそれに従います。指定がなければ、退職日・退職理由(「一身上の都合により」で十分)・提出日・氏名を記載した簡潔な書面で問題ありません。
欠勤してそのまま辞めてしまうのは危険

「言い出せないから、このまま来なくなる(バックレる)」という選択は避けたほうが安全です。
- 無断欠勤扱いになり、退職日が確定しない:正式な退職手続きが取られないと、社会保険の資格喪失手続きが遅れ、次の転職先の手続きにも影響することがある
- 懲戒解雇扱いにされるリスク:会社によっては無断欠勤を理由に懲戒処分とし、退職金や離職票の記載に影響する場合がある
- 私物・貸与物の返却が滞る:制服・社員証・PC等の返却でやり取りが長引く
「出社して伝えるのがどうしても無理」という場合でも、電話・メール・退職代行のいずれかで意思表示だけは必ず行うことが、後々のトラブルを防ぐ最低限のラインです。
履歴書・職務経歴書にはどう書く?

試用期間中に退職した経歴も、職歴として記載するのが基本です。省略して経歴に空白を作ると、後から発覚した際に経歴詐称を疑われるリスクのほうが大きくなります。
- 会社名・入社年月・退職年月を記載する
- 退職理由欄は「一身上の都合により退職」で問題ない
- 面接で聞かれた場合は、ネガティブな表現を避けつつ「入社前に想定していた業務内容と実際の業務にギャップがあり」など、次の職場選びに活かした学びとして簡潔に説明する
短期間での退職が続くと選考で気になる材料にはなりますが、1回の短期離職だけで大きく不利になることは多くありません。正直に、かつ次にどう活かすかをセットで話せれば十分挽回できます。
転職エージェントを使うと、こうした経歴の伝え方も含めて相談しながら進められます。

試用期間中に退職して後悔しないためのチェックリスト
- [ ] 退職理由を「自分側の事情」として簡潔に説明できるようにする
- [ ] 就業規則で退職の届出方法・期限を確認する
- [ ] 退職の意思表示は口頭だけでなく書面(メール等)でも残す
- [ ] 貸与物(制服・社員証・PCなど)の返却方法を確認する
- [ ] 離職票・雇用保険の資格喪失手続きがどうなるか確認する
- [ ] 会社から強い引き止め・退職拒否があった場合の相談先を把握しておく
よくある質問

試用期間中に辞めたら経歴に大きく響きますか?
1回の短期離職だけで選考に大きく響くことは多くありません。退職理由と、そこから何を学んで次に活かすかを簡潔に説明できれば問題になりにくいです。
試用期間中は有給休暇を使えますか?
入社から6か月未満は有給休暇の付与要件を満たさないことが多く、試用期間中は有給が付与されていないケースが一般的です。就業規則で独自に前倒し付与している会社もあるため、確認してみてください。
「試用期間だから退職届はいらない」と言われました。本当ですか?
口頭の意思表示だけでも法律上の効力はありますが、トラブル防止のため書面でも残しておくことをおすすめします。会社の説明を鵜呑みにせず、就業規則も確認してください。
退職を伝えたら強く引き止められています。
退職は労働者の自由な権利であり、会社の同意がなくても2週間の予告期間を置けば退職できます。強い引き止めが続き自分で伝えるのが難しい場合は、退職代行の利用も選択肢です。
試用期間中に辞めた場合、失業手当はもらえますか?
雇用保険の加入期間などの要件を満たせば対象になり得ます。試用期間中の退職は基本的に自己都合退職として扱われることが多い点に注意してください。

まとめ
- 試用期間中でも退職する権利は正社員と同じ。違約金や損害賠償は原則発生しない
- 即日退職は原則できないが、会社の合意があれば現実的に可能
- 退職理由は「自分側の事情」として簡潔に伝えるのがコツ
- 退職届は法律上必須ではないが、トラブル防止のため書面で残すのが安全
- 無断で来なくなる「バックレ」は避け、意思表示だけは必ず行う
- 履歴書には正直に記載し、次にどう活かすかとセットで説明する
「試用期間だから辞めにくい」という思い込みだけで無理を続ける必要はありません。伝え方と手続きさえ押さえれば、試用期間中の退職は特別なことではありません。
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報です。就業規則・個別の契約内容により扱いが異なる場合があります。判断に迷う場合は労働基準監督署や弁護士にご確認ください。
