退職届の書き方【そのまま写せるテンプレート】退職願との違い・日付・封筒まで
退職を決めて、いざ退職届を書こうとすると、手が止まる。「退職届と退職願、どっちを出す?」「日付はいつを書く?」「理由はどこまで書く?」
この記事は、そのまま写せるテンプレートを軸に、退職届にまつわる疑問を1本で片付けるための実用ガイドです。正社員だけでなく、会社都合の場合・パート/アルバイトの場合の書き方、封筒の用意と渡し方まで順番にカバーします。
この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。会社所定の様式がある場合は、そちらに従ってください。
まず確認:「退職届」と「退職願」の違い

名前は似ていますが、性格が違う書類です。
| 退職願 | 退職届 | |
|---|---|---|
| 意味 | 退職をお願いする書類 | 退職を確定的に通知する書類 |
| 撤回 | 会社が承諾する前なら撤回の余地あり | 原則として撤回できない |
| 使う場面 | 円満に相談ベースで進めたいとき | 退職日を確定させたいとき・引き止めが強いとき |
迷ったら、口頭で伝えたあとに「退職届」で問題ありません。すでに上司と合意ができているなら、退職届で日付を確定させる方が話が進みます。なお「辞表」は役員や公務員が使う言葉なので、会社員は使いません。
会社所定のフォーマットがある場合はそれが最優先です。まず就業規則か人事に確認してください。
そのまま写せるテンプレート(縦書き・基本形)

白いA4またはB5の便箋に、黒のボールペンか万年筆で手書きするのが最も無難です(会社がPC作成を認めていればパソコンでも構いません)。
退職届
私儀
このたび、一身上の都合により、
勝手ながら二〇二六年九月三十日をもって
退職いたします。
二〇二六年八月二十日
営業部 山田 太郎 ㊞
株式会社〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇殿
書くときのポイントは5つだけです。
- 冒頭は「私儀」または「私事」(「わたくしごとですが」の意味。行の下寄せで書くのが慣例)
- 理由は「一身上の都合」で固定。詳しい理由を書く必要はありません(会社都合の場合は後述)
- 退職日:上司と合意した日付。まだ合意していない場合は希望日を書きます(退職願なら「退職いたしたく、お願い申し上げます」の形に)
- 提出日・所属・氏名・押印:日付は提出する日。印鑑はシャチハタより認印が無難です
- 宛名は会社の最高責任者(社長名)+敬称は「殿」または「様」。自分の名前より上の位置に書きます
縦書きの場合、数字は漢数字(二〇二六年)を使います。横書きで出す場合は算用数字(2026年9月30日)で構いません。縦書き・横書きどちらでも有効です。
日付は「2つ」ある:間違えやすいポイント

退職届には日付が2か所あります。ここが一番よくある間違いです。
- 本文中の日付=退職日(雇用契約が終わる日。上司と合意した日)
- 署名の上の日付=提出日(退職届を出す日)
「退職日をいつにするか」は、有給消化・ボーナス支給日・社会保険の切り替えと絡む戦略的な話です。決め方はこちらで詳しく解説しています。

「会社都合」なのに一身上の都合と書かされそうなときは

倒産・解雇・退職勧奨・大幅な賃金カットなど、会社側に原因がある退職なのに、「退職届には一身上の都合と書いて」と言われるケースがあります。
安易に応じないでください。「一身上の都合」という記載は、自己都合退職と判断される資料になり得ます。雇用保険上の離職理由は退職届だけで確定するわけではなく、最終的にはハローワークが双方の主張と資料から判断しますが、不利な証拠を自分から作る必要はありません。離職票の理由が事実と違う場合は、ハローワークで異議を申し出てください。
- 退職勧奨に応じる場合は、理由欄を「貴社、退職勧奨に伴い」などと事実の通りに書きます
- 解雇の場合は、そもそも退職届を出す必要はありません(解雇は会社側の一方的な通知であり、あなたが「届け出る」ものではないからです)
- 書き直しを強要される場合は、労働局の総合労働相談コーナーへ相談を
離職票の離職理由と失業手当の関係は、こちらで整理しています。

パート・アルバイトの退職届

パート・アルバイトでも、書き方は正社員と同じです(テンプレートをそのまま使えます)。よくある疑問だけ整理します。
- そもそも書面は必要?:法律上は口頭の申し出でも退職は有効です。ただし「言った・言わない」を避けるため、シフト制の職場や連絡が流れやすい職場ほど、書面かメールで残すのがおすすめです
- 宛名:会社の代表者名が基本。店舗勤務なら「株式会社〇〇 代表取締役〇〇殿」と書き、提出は店長経由で構いません
- 契約期間がある場合:期間途中の退職は原則「やむを得ない事由」が必要です。ただし1年を超える契約では、一定の例外を除き、働き始めて1年が経過した後は申し出により退職できます。まず契約書を確認し、店長・本部に相談を
封筒の書き方と渡し方

封筒の用意:
- 白無地・郵便番号枠なしの封筒(B5の便箋なら長形4号、A4なら長形3号)
- 表面の中央に「退職届」とだけ書く
- 裏面の左下に所属と氏名
- 便箋は三つ折り(下から上に折り、次に上をかぶせる)にして、書き出しが右上に来る向きで入れます
- 糊付けは不要(その場で開けて確認できるように)。糊付けした場合は「〆」を書きます
渡し方:
- アポを取って、直属の上司に手渡しが原則
- 「お時間いただきありがとうございます。退職届をお持ちしました」と一言添えて両手で渡す
- 受け取りを拒否されたら:日付と経緯をメモに残し、人事部門へ提出。それも難しければ配達証明付きの内容証明郵便で会社宛てに送付する方法があります(到達した記録が残ります)
そもそもの切り出し方や、引き止めへの対応はこちらから。
[blogcard url=”https://kaishayametai.com/resignation-fear-guide/”]
[blogcard url=”https://kaishayametai.com/resignation-retention-guide/”]
よくある質問

手書きとパソコン、どちらがいいですか?
法的にはどちらも有効です。慣例としては手書きが無難とされますが、会社がPC作成を認めていれば問題ありません。会社所定の様式がある場合はそれに従ってください。
提出は退職日の何日前までですか?
民法上は、期間の定めのない雇用なら申し出から2週間で退職できます。ただし就業規則に「1か月前まで」等の定めがあることが多く、円満に進めるならそちらを目安に。引き継ぎを考えると1〜1.5か月前が現実的です。
理由を詳しく書けと言われました
退職届の理由は「一身上の都合」で足り、詳細を書く義務はありません。口頭で聞かれた場合も「一身上の都合です」で問題ありません。ただし会社都合の退職なのに「一身上の都合」と書くのは避けてください(前述の通り、失業手当に影響します)。
退職届を出した後に撤回できますか?
一方的な辞職の通知として出した退職届は、会社に到達した後は原則として自分だけの意思では撤回できません。一方、合意退職の申込みと判断される場合は、会社が承諾する前なら撤回できる可能性があります。いずれにせよ確実ではないため、迷いがあるうちは退職「願」にとどめるか、提出前にもう一度考えてください。
メールで退職届を出してもいいですか?
退職の意思表示自体はメールでも法的に有効です。ただし書面の提出を就業規則で求める会社が多いため、メールで意思を伝えたうえで、書面は後日提出(または郵送)する二段構えが実務的です。
まとめ
- 迷ったら口頭で合意→「退職届」で日付を確定。退職願は相談ベース、退職届は確定通知
- テンプレートの要点:私儀/一身上の都合/退職日/提出日/宛名は社長・殿
- 日付は2つ。本文=退職日、署名上=提出日
- 会社都合なのに「一身上の都合」と書かない。失業手当に響く。強要されたら労働局へ
- パート・アルバイトも書き方は同じ。契約期間がある人は先に契約書を確認
- 封筒は白無地に「退職届」、三つ折りで持参。受け取り拒否には内容証明という手がある
退職届は、あなたの決断を形にする最後の事務です。テンプレートを写して、封筒に入れて、アポを取る。10分で終わる作業に、必要以上の重さを持たせないでください。
※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。会社所定の様式・就業規則がある場合はそちらが優先されます。トラブルの際は労働局の総合労働相談コーナー等にご相談ください。
