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任意継続と国保はどっちが安い?退職後の健康保険を最短で決める3つの分かれ目

masahiro

退職後の健康保険選び。「任意継続と国民健康保険、どっちが安いの?」——これ、実は全員共通の正解がない質問です。前年の収入・家族構成・離職理由で、答えが逆転するからです。

でも、決め方はシンプルにできます。この記事では、3つの分かれ目で自分の答えに最短でたどり着くチャートと、両方の正確な見積りを取る方法、そして意外と知られていない「1年目と2年目で乗り換える」技まで整理します。

先に一つだけ重要な注意を。任意継続の申請期限は退職日の翌日から20日以内です。迷っている間に選択肢が消えないよう、この記事は退職前〜直後に読んでください。

この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料は加入先・自治体によって異なります。最終判断は必ず実際の見積りで行ってください。

結論:3つの分かれ目で決まる

任意継続と国保の選択は3つの分かれ目で決まる

細かい計算の前に、傾向を押さえましょう。

分かれ目任意継続が有利になりやすい国保が有利になりやすい
前年の収入高かった人低かった人
扶養家族いる(配偶者・子を無料で被扶養者にできる)いない(国保は人数分かかるため家族が多いと不利)
離職理由自己都合会社都合系(国保の軽減制度が使える)

ざっくり言えば、「収入が高め・家族を扶養している・自己都合退職」なら任意継続「収入が低め・単身・会社都合」なら国保が有利になりやすい構図です。

ただし、これはあくまで傾向です。決定打は次の「見積りの取り方」で出します。なお、家族の扶養に入れる人は、保険料ゼロの扶養が最優先の検討先です(失業手当の受給中は入れない場合があります)。

そもそも何が違う?仕組みの比較表

任意継続と国保の仕組みの違い
任意継続国民健康保険
運営退職前の健康保険(協会けんぽ・健保組合)市区町村
保険料の決まり方退職時の給与(標準報酬月額)ベース。在職中は会社と折半だった保険料を全額自己負担(上限あり)前年の所得ベース+自治体ごとの料率
扶養の仕組みあり(家族を追加保険料なしで被扶養者にできる)なし(加入者の人数分だけ保険料がかかる)
加入できる期間最長2年制限なし
加入条件退職日までに継続2か月以上の被保険者期間+退職翌日から20日以内に申請他の保険に入らないなら加入義務
保険料の軽減なし非自発的失業者の軽減(前年給与所得を30%として計算)など

ポイントは、参照する「収入」が違うことです。任意継続は「辞めたときの給与」、国保は「前年の所得」。だから前年にしっかり働いた人ほど、退職1年目の国保は高くなります。

両方の見積りを取る方法(30分で終わる)

任意継続と国保の見積りの取り方

傾向で決めず、必ず両方の実額を並べてください。やり方は簡単です。

任意継続の保険料:

  1. 給与明細で自分の「健康保険料」の金額を確認
  2. おおまかに、その約2倍が任意継続の保険料の目安(在職中は会社が半分負担しているため)
  3. ただし保険料の基準となる標準報酬月額には上限があり、協会けんぽでは「退職時の標準報酬月額」と「上限(2026年度は32万円)」の低い方で計算されます。給与が高かった人は2倍より安くなることがあります。健保組合は規約により扱いが異なるため、正確な額は退職前に加入先へ電話で確認

国保の保険料:

  1. お住まいの自治体のWebサイトで「国民健康保険料 試算」を検索(自動計算ツールを公開している自治体が多数)
  2. または前年の源泉徴収票を持って市区町村の窓口へ。その場で概算を出してもらえます
  3. 会社都合系の離職(特定受給資格者・特定理由離職者)に該当しそうな人は、軽減後の額で試算してもらうこと。ここで結果が大きく変わります

この2つの数字を並べれば、答えは自動的に出ます。

国保の「軽減」が使えるなら、まず国保を有力候補に

国保の非自発的失業者軽減が使える場合

倒産・解雇・雇い止めなどによる離職(雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者。65歳未満)の場合、国保には前年の給与所得を30%とみなして保険料を計算する軽減制度があります。

  • 対象になると国保の保険料が大幅に下がるため、国保が最有力候補になります。ただし扶養家族の人数・自治体の料率・任意継続の上限によっては任意継続が安い場合もあるため、軽減後の実額で比較してください
  • 軽減は申請制。雇用保険受給資格者証(離職理由コードで判定)を持って市区町村の窓口へ
  • 軽減期間は離職日の翌日から翌年度末まで

自己都合で辞めた人でも、正当な理由のある自己都合(特定理由離職者)と判定される場合があります。ハローワークでの離職理由の判定を確認してから保険を決めるのが、損しない順番です。

知る人ぞ知る技:「1年目は任意継続、2年目に国保へ乗り換え」

任意継続から国保への乗り換えの技

国保の保険料は前年の所得で決まる——ということは、退職して収入が減った翌年の国保は、大きく下がるということです。

そこで使えるのがこの組み合わせです。

  1. 退職1年目:前年所得が高く国保が高額 → 任意継続を選ぶ
  2. 退職2年目:前年(=退職後の低収入の年)ベースで国保が安くなる → 国保に乗り換える

以前は任意継続を自分の都合でやめることができませんでしたが、2022年の制度改正で、本人の申出による脱退が可能になりました。「任意継続は2年間抜けられない」という古い情報に注意してください。

乗り換えのタイミングは、自治体で新年度の国保額を試算してもらい、任意継続の保険料と比べてから。国保の新年度保険料が示されるのは6月頃の自治体が多いので、そこで見直すのがおすすめです。なお任意継続の脱退は申出が受理された月の翌月1日に資格喪失となるため、切り替えたい月の前月中に申し出てください。

手続きの期限と流れ(ここだけは急ぐ)

任意継続と国保の手続き期限
  • 任意継続:退職日の翌日から20日以内に、加入していた協会けんぽ支部・健保組合へ申請。1日でも過ぎると原則加入できません
  • 国保:退職日の翌日から14日以内に市区町村の窓口で手続き(遅れても加入はできますが、保険料は資格発生日までさかのぼって発生します)
  • どちらを選んでも、医療費の空白期間はつくらないこと。退職日の翌日から次の保険の資格が始まるように手続きします

なお、傷病手当金の継続給付を受けている人・受ける予定の人は、保険選びが給付に影響しないか(任意継続・国保どちらでも継続給付は受けられます)、こちらで確認してください:傷病手当金は退職後ももらえる?継続給付の条件

退職後の健康保険3択の全体像はこちらでも整理しています。

合わせて読みたい
退職後の健康保険は任意継続と国保どっちが安い?計算方法とケース別比較
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よくある質問

よくある質問

結局、多くの人はどちらを選んでいますか?

単身で前年収入が標準的な若手の場合、1年目は僅差になることが多く、会社都合系なら軽減で国保、自己都合で扶養家族がいれば任意継続、が典型パターンです。ただし個人差が大きいため、必ず両方の見積りを取ってください。

任意継続の保険料は本当に「2倍」ですか?

在職中の自己負担分の約2倍が目安ですが、標準報酬月額に上限があるため、給与が高かった人は2倍より安くなります。逆に賞与からも保険料を引かれていた人は、体感の負担感が変わることもあります。正確な月額は加入先に確認するのが確実です。

20日の期限を過ぎてしまいました

任意継続は原則加入できなくなります(天災など正当な事由がある場合を除く)。国民健康保険に加入してください。国保はさかのぼって加入・保険料発生となるため、放置せず早めに手続きを。

任意継続の途中で就職が決まったらどうなりますか?

新しい会社の健康保険に加入した時点で、任意継続は資格喪失となります。二重払いにはならないので安心してください。就職先の保険証(資格情報)が使えるようになったら、任意継続側へ届け出ます。

失業手当をもらう予定です。家族の扶養には入れませんか?

一般に基本手当日額3,612円以上の受給中は扶養に入れないとされますが、認定は加入先の健保が行い、年齢・続柄による特例(2025年10月からは19歳以上23歳未満の非配偶者に年収150万円未満の基準)もあります。家族の勤務先経由で事前確認したうえで、「待期・給付制限中は扶養→受給中だけ国保か任意継続→受給後に扶養へ戻る」という設計も検討できます。

まとめ

  • 分かれ目は3つ:前年の収入・扶養家族の有無・離職理由
  • 任意継続は退職時の給与ベース(約2倍・上限あり)、国保は前年所得ベース+自治体差
  • 会社都合系なら国保の軽減(前年給与所得30%計算)で国保が最有力候補に。申請制なので忘れずに
  • 1年目は任意継続→2年目に国保へ乗り換えが有効なケースが多い。2022年から任意脱退が可能に
  • 期限がシビア:任意継続は退職翌日から20日以内、国保は14日以内
  • 迷ったら、両方の見積りを実額で取る(合計30分で終わり、数万円単位の差が見える)

保険選びは「どっちが正解か」ではなく「自分の数字ではどっちか」です。退職日が決まったら、有給消化中にでも2本の電話(健保と市区町村)を済ませてしまいましょう。

※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料率・軽減制度・手続きの詳細は、加入先の健康保険および市区町村によって異なります。必ず各窓口でご確認ください。

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