転職の志望動機の書き方|作り方の3ステップと状況別の例文8つ
志望動機が書けない。正直に言えば「今の会社を辞めたいから」で、この会社でなければいけない理由なんて思いつかない。
それで普通です。志望動機は、最初から心の中にあるものではなく、調べて組み立てるものだからです。
この記事では、志望動機を3ステップで組み立てる方法と、状況別の例文をまとめます。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。例文はそのまま使わず、自分の経験と応募先に合わせて書き換えてください。
採用する側が何を見ているのかを知りたいなら、人事経験者に相談できる転職エージェントもあります。
採用担当者が志望動機で見ている3つのこと
志望動機で確かめられているのは、次の3つです。
| 見ていること | 採用側の本音 |
|---|---|
| なぜうちの会社か | どこでもいいなら、すぐ辞めてしまうかもしれない |
| 何ができるか | 入社してから、どんな形で役に立ってくれるのか |
| 長く働いてくれそうか | 前の会社と同じ理由で、また辞めないか |
3つ目が見落とされがちです。たとえば「残業が多くて辞めた」人が、残業の多い会社に応募していれば、採用側は不安になります。転職理由と志望動機がつながっているかも、見られているポイントです。
志望動機の作り方3ステップ
ステップ1:転職理由を「次にやりたいこと」に言い換える
まず、辞めたい理由を書き出します。本音のままでかまいません。そのあとで、裏返して「次にやりたいこと」にします。
| 本音の転職理由 | 次にやりたいこと |
|---|---|
| 給料が上がらない | 成果が評価に反映される環境で働きたい |
| 残業が多すぎる | 限られた時間で成果を出す働き方をしたい |
| 同じ作業の繰り返し | 改善や企画にも関わる仕事がしたい |
| 人間関係がつらい | チームで協力して進める仕事がしたい |
| 会社の将来が不安 | 伸びている分野で経験を積みたい |
言い換えの例は、履歴書の退職理由の書き方でも9パターン紹介しています。
ステップ2:応募先の「ここ」を1つ見つける
次に、ステップ1の「次にやりたいこと」がかなう理由を、応募先から1つだけ見つけます。
見る場所は次のとおりです。
- 求人票の「仕事内容」「求める人物像」
- 会社のホームページの事業内容・採用ページ
- 社長メッセージ、ニュースリリース(新しく始めた事業など)
「理念に共感しました」は、どの会社にも言えてしまうので弱くなります。具体的な事業・サービス・取り組みを1つ挙げましょう。
ステップ3:自分の経験とつなげる
最後に、「その会社で、自分の経験の何が生かせるか」を書きます。大きな実績でなくてかまいません。
- 毎月◯件の問い合わせに対応してきた
- 手作業だった集計をExcelで効率化した
- 新人◯人の教育を担当した
数字が1つ入ると、読み手が具体的に想像しやすくなります。
そのまま使える志望動機の型
3ステップで集めた材料を、次の順に並べます。
①経験:前職では◯年間、◯◯を担当してきました。
②きっかけ:◯◯を通じて、△△したいと考えるようになりました。
③なぜこの会社か:貴社は□□に力を入れており、
④貢献:私の◯◯の経験を生かして、△△に貢献できると考え、志望いたしました。
履歴書なら200〜300字、面接なら1分で話せる量(300字前後)が目安です。
状況別の志望動機の例文8つ
1. 同業種・同職種(営業→営業)
前職では5年間、法人向けに事務機器の営業を担当し、既存顧客の深耕で売上目標を3年連続で達成しました。一方で、商品を売り切りにする営業スタイルに限界を感じ、導入後まで顧客に伴走する営業がしたいと考えるようになりました。貴社は導入後のサポート体制に力を入れており、私の既存顧客との関係づくりの経験を生かして、長く選ばれる取引先づくりに貢献できると考え、志望いたしました。
2. 異業種・同職種(メーカーの事務→IT企業の事務)
前職では食品メーカーで4年間、営業事務として受発注と請求の管理を担当してきました。業務の中で、手作業の多い請求処理をExcelの関数で効率化し、月の作業時間を約2割減らした経験から、仕組みで業務を良くすることにやりがいを感じるようになりました。貴社は社内業務のデジタル化を積極的に進めており、私の事務の経験と改善の視点を生かせると考え、志望いたしました。
3. 未経験の職種(販売→事務)
前職では6年間、アパレル店で販売と在庫管理を担当してきました。店舗の売上データをまとめて本部に報告する業務を任されるうちに、数字を整理して周りの判断を支える仕事に関心を持つようになりました。貴社の営業事務職は、営業担当の方を支える役割が大きいと伺い、販売で培った正確な在庫管理と、相手の要望をくみ取る力を生かせると考え、志望いたしました。
4. 未経験の業界(飲食→介護)
前職では飲食店で5年間、ホールスタッフとして接客を担当してきました。常連のお客様の好みや体調の変化に気づいて声をかけることにやりがいを感じ、一人ひとりに長く寄り添う仕事がしたいと考えるようになりました。貴社は未経験者向けの研修と資格取得の支援が充実しており、接客で身につけた気配りを土台に、介護の専門知識を身につけて貢献したいと考え、志望いたしました。
5. 第二新卒(入社1〜3年目)
前職では1年半、システム会社で営業として新規開拓を担当してきました。お客様の課題を聞く中で、提案するだけでなく、自分の手で課題を解決できる技術を身につけたいと考えるようになりました。貴社は未経験からのエンジニア育成に実績があり、入社後の研修で基礎から学べると伺いました。営業で培ったお客様の話を聞く力を生かし、現場で頼られるエンジニアを目指したいと考え、志望いたしました。
6. 非正規から正社員へ
派遣社員として3年間、経理部で伝票処理と支払い業務を担当してきました。月次決算の補助を任されるようになり、より責任のある立場で、経理の業務全体に関わりたいと考えるようになりました。貴社の経理職は、日々の処理から決算業務まで幅広く担当できると伺い、これまでの実務経験を生かしながら、長く腰を据えて貢献したいと考え、志望いたしました。
7. 本音が「年収・待遇」のとき
本音が待遇でも、それ自体は悪いことではありません。ただ、志望動機では評価のされ方に言い換えます。
前職では4年間、ルート営業として担当エリアの売上を前年比110%に伸ばしてきましたが、年功序列の評価制度の中で、成果を次の目標につなげにくいと感じていました。貴社は成果を明確な基準で評価する制度を取り入れており、数字に責任を持って取り組んできた私の経験を生かし、より高い目標に挑戦したいと考え、志望いたしました。
年収の希望は、志望動機ではなく内定後に伝えるのが一般的です。伝え方は年収交渉のやり方にまとめています。
8. ブランクがあるとき
前職では3年間、病院の医療事務として受付と会計を担当してきました。退職後は家族の介護で1年間仕事を離れていましたが、現在は介護の体制が整い、フルタイムで働ける環境になりました。貴社のクリニックは地域に根ざした診療に力を入れていると伺い、前職の受付業務で心がけてきた、患者さんに安心してもらえる対応を生かして貢献したいと考え、志望いたしました。
ブランクの説明のしかたは、履歴書の空白期間の書き方も参考にしてください。
自分の経験をどう言葉にすればいいか分からないときは、職務経歴の棚卸しから一緒にやってくれる転職エージェントを使うのも一つの方法です。

やりがちなNG例と言い換え
| NG | なぜダメか | 言い換えの方向 |
|---|---|---|
| 貴社で勉強させていただきたいです | 会社は学校ではない。何を返してくれるのかが見えない | 学んだことをどう生かすかまで書く |
| 貴社の理念に共感しました | どの会社にも言える | 理念が表れている具体的な取り組みを挙げる |
| 福利厚生が充実しているため | 条件だけで選んでいるように見える | 条件は口にせず、仕事の中身で書く |
| 前職は残業が多く、休みも取れませんでした | 不満が先に立ち、また辞めそうに見える | 「限られた時間で成果を出したい」など前向きに |
| 家から近いため | 仕事への意欲が伝わらない | 長く働ける理由の一つとして補足にとどめる |
履歴書と面接で、志望動機は変える?
中身は同じで、長さと話し方を変えます。
| 履歴書 | 面接 | |
|---|---|---|
| 長さ | 欄に収まる200〜300字 | 1分で話せる量(300字前後) |
| 書き方 | 「〜と考え、志望いたしました」の書き言葉 | 「〜と考えて、志望しました」の話し言葉 |
| 深掘り | されない | 「なぜそう思ったのか」と聞かれる前提で準備 |
面接では、志望動機のあとに「それはうちでなくてもできるのでは?」と聞かれることがあります。ステップ2で見つけた「ここ」を、もう一段具体的に話せるようにしておくと安心です。面接でよく聞かれるほかの質問は転職の面接でよく聞かれる質問にまとめています。
よくある質問

志望動機と転職理由の違いは?
転職理由は「なぜ今の会社を辞めるのか」、志望動機は「なぜこの会社を選んだのか」です。転職理由で「◯◯ができなかった」と話したなら、志望動機で「貴社なら◯◯ができる」とつなげると、話に一貫性が出ます。
どうしても志望動機が思いつきません
応募先の情報が足りないことがほとんどです。求人票の「仕事内容」を1行ずつ読んで、自分がやったことのある仕事に印をつけてみてください。そこが「自分の経験が生かせる」ポイントになります。
複数の会社に応募するとき、使い回してもいい?
型(経験・きっかけ・貢献)は使い回してかまいません。ただし「なぜこの会社か」の部分は、会社ごとに必ず書き換えてください。ここが同じだと、採用担当者に見抜かれます。
志望動機に「御社」と「貴社」、どちらを使う?
書類(履歴書・メール)では「貴社」、面接で話すときは「御社」を使うのが一般的です。
転職エージェント経由で応募するときも必要?
必要です。エージェントが推薦文を書いてくれる場合でも、面接では自分の言葉で聞かれます。エージェントに相談すると、応募先ごとの志望動機の作り方を一緒に考えてもらえることがあります。
まとめ
- 志望動機は、心の中にあるものではなく調べて組み立てるもの
- 採用側が見ているのは「なぜうちか・何ができるか・長く働くか」
- 作り方は、①転職理由を前向きに言い換える ②応募先の「ここ」を1つ見つける ③自分の経験とつなげる
- 型は「経験 → きっかけ → なぜこの会社か → 貢献」
- 「勉強させてください」「理念に共感」だけで終わらせない
- 履歴書は200〜300字、面接は1分。中身は同じで、長さと言葉づかいを変える
志望動機は、一人で考えると堂々めぐりになりがちです。応募先ごとの書き方を一緒に考えてくれる相手がいると、ぐっと早く仕上がります。

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。応募先や個別の事情によって、適した書き方は異なります。

