失業保険をもらいながら副業はできる?|在宅ワーク・フリマ・ブログ・株の扱いと申告
失業保険をもらっているあいだに、在宅の仕事を少し受けたい。フリマアプリで物を売った。ブログや動画の収入が少しある。これは申告がいるのか、失業保険は止まるのか。
結論から書きます。受給中の副業は、禁止されていません。ただし、働いた日は、収入がなくても申告が必要です。そして、副業の中身によって扱いが分かれます。
- 在宅の仕事(業務委託など)は、働いた時間と収入に応じて、その日の分が先送りになったり、減額されたりする
- 自宅の不用品を売ったお金や、預金の利息は、働いて得た収入にあたらない
- 副業に専念して仕事探しをしていないと、時間が短くても「就職している」と扱われる
この記事では、アルバイトのように雇われる働き方ではなく、雇われない副業にしぼって説明します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。副業がどの扱いになるかは、働き方の実態を見てハローワークが個別に判断します。始める前に、管轄のハローワークで確認してください。
副業を続けるか、もう一度会社で働くかを迷っている人は、いまの経験でどんな求人があるのかを聞いてみる方法もあります。
基本のルール:見られるのは「働いた時間」と「収入」
失業保険(基本手当)は、仕事を探しているのに就職できていない日に対して支給されます。そのため、働いた日があれば、4週間に1回の認定日に出す失業認定申告書で申告します。
厚生労働省がハローワーク向けに定めている取扱い(業務取扱要領)では、雇われているかどうかに関係なく、次のように分けられています。
| 働き方 | 申告書での呼び方 | 失業保険の扱い |
|---|---|---|
| 原則として1日4時間以上 | 就職・就労(カレンダーに○) | その日の分は支給されない。日数は減らず、あとに回る |
| 原則として1日4時間未満 | 内職・手伝い(カレンダーに×) | 支給される。収入の額によっては減額、または支給されない |
「業務委託だから関係ない」「雇用契約ではないから申告しなくていい」ということはありません。請負や委任で仕事を受けた場合も、自分で事業をした場合も、同じ表にあてはめます。
アルバイトの場合の細かいルールは、失業手当をもらいながらアルバイトできる?にまとめています。
副業の種類ごとの扱い
よくある副業を、業務取扱要領に書かれていることと、書かれていないことに分けて整理しました。
| 副業の種類 | 扱い | 要領の記載 |
|---|---|---|
| クラウドソーシング、ライター、動画編集、デザインなど(仕事を受けて納品する) | 作業した日を申告。4時間以上なら就職・就労、4時間未満なら内職・手伝い | あり(請負・委任による労務提供) |
| 在宅の内職 | 同じ | あり |
| たまたま頼まれて書いた原稿の原稿料 | 時間に関係なく、内職・手伝いの収入として扱う | あり |
| 自宅の服や家具など、不用品を売ったお金 | 働いて得た収入に含まれない | あり |
| 預金の利息などの財産収入 | 働いて得た収入にあたらない | あり |
| 懸賞の賞金 | 通常、働いて得た収入にあたらない | あり |
| 無償の手伝い、ボランティア | 収入がなくても、活動した日は申告する | あり |
| 仕入れて売る(転売)、ハンドメイド品の販売 | 自分で事業をしている扱いになる可能性がある | 個別の記載なし |
| ブログ、アフィリエイト、動画投稿 | 作業が事業にあたる可能性がある | 個別の記載なし |
| 株・投資信託などの売買 | 利益そのものは財産から生じる収入と考えられる | 「株」という言葉での記載なし |
| ポイントサイト、アンケート回答 | - | 個別の記載なし |
「個別の記載なし」の行は、公式の文書に名前が出てこないものです。この記事では、あたる・あたらないを断定しません。やっている内容、1日にかける時間、収入の額をそのまま伝えて、ハローワークで確認してください。
不用品の売却について補足します。要領で「含まれない」とされているのは、自分が使っていた服や家具などを売った場合です。売るために仕入れた物を売るのは、別の話になります。
時給でない仕事の「4時間」は、どう数える?
在宅の仕事には、タイムカードがありません。業務取扱要領では、次のように決められています。
- 働いた時間を自分で管理する仕事(請負・委任、在宅の内職、自営の準備など)は、原則として本人の申告で判断する
- 必要があれば、ハローワークが地域の相場などと比べて、申告が妥当かを確認する
- 1日のうちに別々の仕事をした場合は、時間を合算して判断する
- こうした仕事は、原則として1日ごとの契約とみなす
つまり、作業した日と、その日に何時間作業したかを、自分で記録しておく必要があります。認定日の前にまとめて思い出そうとすると、抜けやすくなります。
10月5日(月) 記事の執筆 2時間30分
10月7日(水) 記事の執筆 3時間
10月8日(木) 修正の対応 1時間
10月20日(火)報酬の入金 12,000円(3日分)
このようなメモがあれば、申告書をそのまま書けます。金額と日付は架空の例です。
なお、1日4時間以上の作業でも、1日あたりの収入が一定の額(賃金日額の最低額。毎年8月に変わることがあります)より少ないときは、内職・手伝いとして扱われる場合があります。
失業認定申告書への書き方
申告書には、副業に関係する欄が2つあります。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 1欄(カレンダー) | 就職・就労をした日に○、内職・手伝いをした日に× |
| 2欄 | 内職・手伝いで収入を得た場合に、収入のあった日、金額、何日分の収入か |
気をつける点は3つです。
- 収入がまだ入っていなくても、作業した日は1欄に書く。申告書の注意書きにも、収入を得ていない場合も記載する、とあります
- 2欄の「何日分」は、その収入のもとになった作業の日数。減額するかどうかは、収入をその日数で割った1日分の額で計算される
- 作業した月と、報酬が入る月がずれることがある。その場合の書き方は、窓口で確認する
減額されるかどうかの計算は、失業保険をもらいながら週20時間以内で働く方法で説明しています。
副業に使えるスキルを、これから身につけたい人もいると思います。学ぶ場所を探すところから始める方法もあります。
副業が「就職」と扱われるのは、どんなとき?
短い時間の副業でも、次の場合は「就職している」と扱われ、失業保険は支給されません。
| 場合 | 業務取扱要領の考え方 |
|---|---|
| 副業に専念していて、仕事探しをしていない | 1日4時間未満でも、就職しているものとして扱う |
| ハローワークから仕事の紹介があっても、すぐには応じられない | 働く意思と能力がないものとして扱う |
| 続けて働くことが契約ではっきりしていて、週の平均が20時間以上・週4日以上になる | 働かない日も含めて、就職している期間として扱う |
| 自分で事業を始めた(開業した) | 収入の有無にかかわらず、就職と同じ扱い |
| 会社の役員になった | 原則として、時間に関係なく就職とみなす |
分かれ目は、副業の収入が多いか少ないかではありません。会社への就職を本気で探していて、紹介があれば応じられる状態かどうかです。
在職中からの副業を、退職後も続ける場合
会社を辞める前から続けている副業が、手続きの時点で「就職している状態」にあたると判断されると、失業保険の手続きそのものができません。
一方で、短い時間の副業で、仕事探しと両立できているなら、扱いは変わります。最初にハローワークへ行く日に、副業の内容と時間を伝えるのが確実です。あとから分かるより、最初に伝えておくほうが、話が早く進みます。
待期と給付制限のあいだの副業
| 期間 | 副業をした場合 |
|---|---|
| 待期(手続きから7日間) | 働いて失業の状態でなかった日は、待期の日数に数えられない。待期の終わりが後ろにずれる |
| 給付制限(自己都合などの場合) | 失業保険の支給には影響しない。ただし、週20時間以上など「就職」にあたると、その期間は支給されない |
給付制限のあいだは、もともと支給がありません。それでも、働いた日の申告は必要です。日付と時間の記録は、この期間も続けてください。
申告しなかったら
働いた日や収入を申告しないと、不正受給になります。受け取った額の返還に加えて、さらに一定の額の納付を命じられることがあり、その後の給付も受けられなくなります。
報酬の振込、発注元とのやりとり、納品の記録は、日付つきで残ります。「在宅だから分からない」とは言えません。
反対に、正直に申告した場合に起きるのは、その日の分が先送りになる、収入に応じて減額される、といった調整です。申告のしかたと、申告しなかった場合の違いは、失業手当の受給中に働いたら?にまとめています。
よくある質問

フリマアプリで自分の服を売りました。申告は必要ですか?
自分が使っていた服や家具などを売って得たお金は、業務取扱要領で「働いて得た収入に含まない」とされています。ただし、売るために仕入れた物を売っている場合は、別の扱いになる可能性があります。迷うときは、窓口で内容を伝えて確認してください。
収入が数百円でも、申告しないといけませんか?
申告が必要かどうかは、金額では決まりません。作業をした日は、収入の額にかかわらず申告します。金額が小さければ、減額にならないことも多くあります。
報酬が出ない作業(試しに作った、無料で手伝った)も書きますか?
書きます。申告書の注意書きでは、報酬がなくても就職・就労にあたることがある、とされています。収入がない場合も、作業した日を1欄に記入します。
株の配当や売買の利益は、失業保険に影響しますか?
業務取扱要領では、財産収入は「働いて得た収入」にあたらないとされています。ただし、株の売買について名前を挙げた記載はありません。取引に長い時間をかけていて、仕事探しができていない状態だと、別の点から判断される可能性があります。気になる場合は、窓口で確認してください。
ブログや動画の収入は、いつの分として申告しますか?
業務取扱要領に、ブログや動画投稿についての個別の記載はありません。作業した日と時間、収入が入った日と金額を記録しておき、どの欄にどう書くかを窓口で確認するのが確実です。
副業の収入は、確定申告も必要ですか?
税金は、失業保険とは別の制度です。ハローワークに申告していても、税金の申告が必要になる場合があります。国税庁のサイトか、税務署で確認してください。
まとめ
- 受給中の副業は禁止されていない。ただし、働いた日は収入がなくても申告する
- 雇われない副業も、1日4時間以上なら就職・就労、4時間未満なら内職・手伝いとして扱う
- 時間は自分で記録して申告する。1日に複数の仕事をしたら合算する
- 自宅の不用品を売ったお金、預金の利息などは、働いて得た収入にあたらない
- 転売、ブログ、動画投稿、株の売買などは、公式の文書に個別の記載がない。内容を伝えて窓口で確認する
- 副業に専念して仕事探しをしていないと、時間が短くても就職と扱われる
副業を続けながら失業保険を受け取るなら、記録をつけること、そのまま伝えることの2つで、ほとんどの心配はなくなります。会社で働く道も並べて考えたい人は、求人の情報を集めておくのも一つの材料です。

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。副業が就職・就労、内職・手伝いのどれにあたるか、減額されるかどうかは、個別の事情によって異なります。管轄のハローワークでご確認ください。税金については、国税庁または所轄の税務署でご確認ください。

