3年間給付金サポートをしてきた僕の結論 | 辞める前にやるべき4つ
※本記事にはプロモーションが含まれます。
「辞めたい」と思った日に、退職届を出さないでください
「もう限界、、、今日にでも辞表を出して楽になりたい」
今、こういう状況の方は一旦立ち止まってこの記事を最後まで読んでください。
気持ちはすごくよく分かります。限界まで我慢して、もう1日も行きたくない。だから今日、上司に言ってしまいたい。
でも、ここで順番を間違えると、あとで確実に後悔します。
なぜなら、辞めたあとに自分がいくらもらえるのかを知らないまま辞めると、「焦って次を決める」しか選べなくなるからです。焦って決めた転職先は、また同じ理由で辞めることになりがちです。
やることは4つだけ。この順番で進めれば、「すぐ転職する」も「少し休んでから動く」も、自分で選べるようになります。
- 給付金の計算
- お金の知識をつける
- 転職エージェントに登録する
- 退職を申し出る
順番に見ていきます。
① 給付金の計算|まず「辞めたあとに入るお金」を数字にする
最初にやるのは、退職届でも転職サイトの登録でもなく、計算です。
辞めたあとにいくら入るのかが分かると、判断の軸ができます。
- 3ヶ月分の生活費が確保できると分かれば、少し休んでから動く選択ができる
- ほとんど出ないと分かれば、在職中に転職活動を終わらせる判断ができる
逆に、この金額を知らないままだと「とにかく不安」だけが残り、選択肢が1つに減ってしまいます。
失業手当(基本手当)の計算式
賃金日額 = 退職前6ヶ月の賃金総額 ÷ 180
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(45〜80%)
受給総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数
押さえておきたいポイントは3つです。
1. ボーナスは計算に入りません 賃金総額に賞与は含まれません。「年収ベースで考えていたら、思ったより少なかった」となりやすい部分です。
2. 給付率は給与が低い人ほど高くなります 給付率は一律ではなく45〜80%の幅があり、元の給与が低い人ほど高い率が適用される仕組みです。
3. 所定給付日数は退職理由で大きく変わります
| 退職理由 | 所定給付日数の目安 |
|---|---|
| 自己都合 | 90〜150日 |
| 会社都合・特定受給資格者 | 90〜330日 |
同じ勤続年数でも、退職理由ひとつで受給できる期間が倍以上変わることがあります。離職票に書かれた離職理由は、必ず自分の目で確認してください。
「いつから」もらえるかも計算に入れる
金額と同じくらい大事なのが、いつ振り込まれるかです。
- 待期期間:7日間(全員共通)
- 給付制限:自己都合退職は原則1ヶ月
自己都合の給付制限は、以前は2ヶ月でした。2025年4月1日以降に離職した人から、原則1ヶ月に短縮されています。「自己都合だと2ヶ月待ち」という情報は古いので注意してください。
ただし例外が2つあります。
- 離職日から過去5年以内に3回以上自己都合で退職している場合 → 給付制限は3ヶ月
- 厚生労働省が定める教育訓練を受講した場合 → 給付制限そのものが解除され、待期7日後から受給可能
つまり、退職前後に教育訓練を受けるかどうかで、最初の振込タイミングが1ヶ月以上変わる可能性があります。
上限額は毎年8月に変わります
基本手当日額には年齢区分ごとに上限があり、毎年8月1日に改定されます。ネット上には古い上限額を載せたままの記事が多いので、金額を確認するときは必ず改定後の最新版を見てください。
自分の場合はいくらになるのか、生年月日・退職理由・給与を入れるだけで計算できます。 👉 退職くまの給付金シミュレーターで計算する
② お金の知識|収入を増やすより、支出を減らすほうが早い
計算してみると、ほぼ全員が同じ現実に直面します。
辞めたあとに入るお金は、今の手取りより必ず少ない。
ここで多くの人が「じゃあ副業でもして収入を増やそう」と考えますが、先にやるべきは支出を減らすことです。理由はシンプルで、収入を増やすのは時間がかかりますが、固定費を下げるのは1回の手続きで終わり、その効果が毎月続くからです。
退職後に「増える」支出を先に把握する
見落としやすいのがこちらです。会社員のうちは給与から天引きされていたものが、退職後は自分で払うことになります。
| 項目 | 退職後にどうなるか |
|---|---|
| 健康保険 | 任意継続 or 国民健康保険に切り替え。全額自己負担になる |
| 年金 | 国民年金に切り替え。所得ゼロでも定額の請求が来る |
| 住民税 | 前年の所得をもとに請求される。収入が減っても額は変わらない |
特に危険なのが住民税です。退職して収入が減っているのに、去年バリバリ働いていた分の税額が請求されます。「辞めた翌年に一番お金がなくなった」という声はここが原因であることが多いです。
ただし、減らせる制度もあります
支払いが厳しいときに使える制度も用意されています。
- 健康保険:任意継続と国民健康保険、どちらが安いかは人によって逆転します。自治体の窓口で国保の保険料を試算してもらい、比較してから決めるのが確実です
- 国民年金:所得が下がった場合、免除・納付猶予の申請ができます。失業を理由とした特例もあります
- 住民税:分割納付や減免の相談ができる自治体があります。放置せず、まず窓口に相談を
「知っていれば使えたのに、知らずに満額払った」が一番もったいないパターンです。
判断が難しければ、無料相談を使う手もあります
とはいえ、任意継続と国保の比較、年金の免除申請、生活費の組み直しを全部自分で判断するのは正直しんどいです。
お金の専門家(FP)に無料で相談できるサービスもあるので、家計の見直しごと相談してしまうのも一つの方法です。
ただし正直に書いておくと、無料相談サービスの多くは保険の紹介が収益源です。相談自体は無料で有益ですが、その場で契約を決める必要はまったくありません。「今日は相談だけです」と伝えて問題ないので、その前提で使うのがおすすめです。
③ 転職エージェント登録|辞めなくても、市場価値だけ測っておく
3つ目は転職エージェントへの登録です。
ここで大事なのは、今すぐ辞める気がなくても登録していいということ。登録=転職確定ではありません。
登録するだけで分かること
- 自分の経験で、いくらの求人を紹介されるのか
- 今の会社の給与は、相場より高いのか低いのか
- 自分のスキルは他社でも通用するのか
これが分かると、判断の質が変わります。
「相場より年収が100万円低い」と分かれば、辞める理由がはっきりします。逆に「今の条件はかなり良いほうだ」と分かれば、辞めずに部署異動を狙うという選択肢も出てきます。どちらに転んでも、知らないままより得です。
在職中に登録するメリット
- 収入が続いているので、焦って妥協した転職をしなくて済む
- ブランク(空白期間)が発生しない
- そのまま転職先が決まれば、給付制限を待つ必要もない
「辞めてから探せばいい」と思いがちですが、選択肢が一番多いのは在職中です。
エージェント選びの前提
エージェントは1社に絞る必要はありません。担当者との相性で結果が大きく変わるので、2〜3社に登録して比較するのが一般的です。合わないと感じたら、途中で連絡を止めても問題ありません。
とはいえ数が多すぎて選べない、という声も多いので、年齢・お住まいの地域・雇用形態から絞り込める診断を用意しています。
在職中に登録できる転職エージェントでまずは口コミを調べられるのがこちら。
登録前に、実際に働いていた人の口コミで社風や年収を確認しておきたい方はこちら。
いきなり面談を急かされることがないので、どちらも登録だけしておくのがおすすめ。
④ 退職の申し出|ここまで来て、初めて伝える
①〜③が終わって、はじめて退職を申し出ます。
お金の見通しが立ち、支出の削り方が分かり、自分の市場価値も把握できている。この状態なら、引き止められても揺らぎません。
伝えるタイミングと法律のルール
期間の定めのない雇用契約の場合、民法上は退職を申し入れてから2週間で契約が終了します。
一方で、就業規則に「1ヶ月前までに申し出ること」と書かれている会社がほとんどです。法律上は2週間で辞められますが、引き継ぎのトラブルを避けたいなら、就業規則に沿って動くのが無難です。
進め方の基本はこの流れです。
- 就業規則で申し出時期を確認する
- 直属の上司に、口頭でアポを取って伝える
- 退職届を提出する
- 引き継ぎ・有給消化のスケジュールを決める
引き止めは想定しておく
「後任が決まるまで待ってほしい」「損害賠償を請求する」といった引き止めを受けることがあります。
覚えておいてほしいのは、退職は労働者の権利であり、会社の許可は必要ないということです。引き止めに対して交渉する義務もありません。
どうしても言えないときは、退職代行という選択肢
上司が話を聞いてくれない、パワハラで顔を合わせられない、心身が限界。そういう状況で「自分の口から言う」ことにこだわる必要はありません。
そのための退職代行サービスがあります。ただし、運営元によってできることが違うので、ここだけは正確に知っておいてください。
| 運営元 | できること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 民間企業 | 退職の意思を「伝える」のみ。交渉は不可 | 低め |
| 労働組合 | 有給消化や退職日の交渉ができる | 中間 |
| 弁護士 | 交渉に加え、未払い残業代の請求など法的請求が可能 | 高め |
民間企業が会社と交渉すると非弁行為にあたる可能性があるため、「有給を全部消化したい」「未払い分を請求したい」といった要望があるなら、労働組合か弁護士が運営するサービスを選んでください。伝えてもらうだけでいいなら民間企業でも足ります。
辞めるときに受け取るもの
退職後の手続きで必要になるので、これだけは確認してください。
- 離職票(失業手当の申請に必須/退職後10日前後で郵送されることが多い)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳・基礎年金番号通知書
- 源泉徴収票
離職票が届かないと失業手当の申請ができません。2週間以上届かない場合は、会社かハローワークに確認しましょう。
まとめ|順番を守るだけで、選択肢が増える
もう一度、流れを確認します。
| 順番 | やること | 得られるもの |
|---|---|---|
| ① | 給付金の計算 | 「休む」か「すぐ転職」かを選べる |
| ② | お金の知識 | 出ていくお金を減らせる |
| ③ | エージェント登録 | 今の自分の市場価値が分かる |
| ④ | 退職の申し出 | 揺らがずに伝えられる |
「辞めたい」という気持ちは、我慢し続けるものではありません。ただ、辞め方には順番があります。
この4つを順番にこなすだけで、「辞めたら終わり」だった選択肢が、「辞めてどう生きるか選べる」に変わります。
まずは①から。自分の場合はいくらもらえるのか、計算するところから始めてみてください。
出典
- 厚生労働省「令和6年雇用保険制度改正(令和7年4月1日施行分)について」
- 厚生労働省「『給付制限期間』が1か月に短縮されます」
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額等の適用について」(毎年8月1日改定)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- 民法第627条
※本記事の内容は執筆時点の情報です。制度は改正される場合があるため、実際の手続きの際は必ずハローワーク・自治体の最新情報をご確認ください。
