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失業保険と扶養はどっちが得?比べるのは2つの金額だけ【概算シミュレーション付き】

masahiro

「失業保険をもらうと扶養から外れて、国民健康保険と年金を自分で払うことになる。それなら扶養に入ったまま、手当をもらわない方が得なんじゃない?」

結婚している人や、親の扶養に入れる人なら、一度は考える疑問です。

先に結論を言うと、多くの場合は「一時的に扶養を外れてでも受給する」方が手元に残るお金は大きくなります。ただし、扶養のままの方が得になる例外もはっきり存在します。この記事では、比べ方の計算式と概算シミュレーション、例外の見分け方まで整理します。

この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料は自治体・加入先によって異なるため、実際の判断は必ず自分の数字で確認してください。

結論:比べるのは「手当の総額」と「受給中の自己負担」の2つだけ

失業保険と扶養どっちが得かは2つの金額で決まる

この問題は、突き詰めると次の引き算です。

受け取る失業手当の総額 −(受給期間中に自分で払う国民健康保険+国民年金)= 手元に残る差額

ポイントは、扶養を外れるのは受給している期間だけでいいことです。受給が終われば扶養に戻れるので、「一生外れる」前提で悩む必要はありません(この出入りの手順は後述の記事で詳しく解説しています)。

そして大前提として、税金の心配は不要です。失業手当は非課税で、税法上の扶養(配偶者控除など)の判定にも影響しません。問題になるのは社会保険の扶養(健康保険・年金)だけです。

計算式:3つの数字を並べるだけ

失業保険と扶養の損得計算式

用意する数字は3つです。

① 基本手当日額 × 給付日数 = 手当の総額

  • 基本手当日額は、おおまかに退職前6か月の給与から計算され、おおむね賃金の50〜80%(給与が低いほど高い率)
  • 給付日数は、自己都合・20代・加入10年未満なら90日が基本

② 国民健康保険料(月額)× 受給月数

  • 前年の所得と自治体で大きく変わります。自治体サイトの試算ツールか窓口で確認
  • 会社都合系の離職なら、前年給与所得を30%とみなす軽減制度があります(申請制)

③ 国民年金保険料(月額約1.8万円)× 受給月数

  • 2026年度は月17,920円(年度ごとに改定されます)
  • ここは誰の扶養かで変わります。配偶者の扶養(国民年金第3号)だった人は、外れると年金が新たに自己負担になります。一方、親の扶養に入っていた人は、年金はもともと自分で第1号として払っているはずなので、新たに増えるのは実質「国保だけ」です
  • 支払いが厳しければ失業特例の免除申請も可能(ただし免除期間は将来の年金額が減ります。追納可)

①−(②+③)がプラスなら、受給する方が得。それだけです。

概算シミュレーション:月給20万円・給付90日の場合

失業保険と扶養の概算シミュレーション

イメージをつかむための仮の概算例です(実際の金額は人によって変わります)。

項目概算
基本手当日額(月給20万円の場合の目安)約5,000円
手当の総額(90日)約45万円
国保+国民年金の自己負担(仮定:国保 月1.7万円+年金 月1.8万円 × 約3か月)約11万円
差額(手元に残る)約34万円

※国保の月額はあくまで仮定です。前年所得・自治体によって上下します。配偶者の扶養だった人の例で、親の扶養だった人は年金分を除いて計算してください(差額はさらに大きくなります)。

このように、標準的なケースの概算では数十万円単位で受給が有利になります。「保険料を払うのがもったいない」という理由だけで受給を諦めるのは、大きすぎる損です。

なお、この例の日額約5,000円は扶養の収入基準(一般に日額3,612円以上で扶養不可)を超えているため、受給中は扶養を外れる前提の計算です。

例外:「扶養のまま」が得・合理的になる3つのケース

扶養のままが得になる3つの例外ケース

逆に、次のケースでは扶養のまま(または受給しない選択)が合理的になり得ます。

① 日額が3,611円以下 → そもそも両取りできる

基本手当日額が扶養の収入基準未満なら、扶養に入ったまま受給できるのが一般的です(基準は健康保険により異なります)。この場合、比較する必要すらありません。パート勤務からの離職などで該当することがあります。

② 給付日数が短く、保険料が高い

給付が90日で日額が基準ギリギリ、かつ前年所得が高く国保が高額——という組み合わせでは、差額が小さくなります。それでもプラスになることが多いですが、手続きの手間を差し引いて判断する余地があります。

③ すぐに再就職する予定が固まっている

数週間以内に次の入社日が決まっているなら、受給手続きをしても待期などで実際にはほとんど受け取れません。なお「再就職手当」という一時金の制度もありますが、受給手続きより前に採用が内定していた場合は原則対象外です。期待して手続きする前に、自分のケースが対象になるかハローワークで確認してください。

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損しないための確認手順(この順番でやる)

失業保険と扶養の損得を確認する手順
  1. ハローワークで「基本手当日額」と「給付日数」を確認する(離職票を持って相談すれば、受給手続き前でも目安がわかります)
  2. 日額が3,611円以下なら扶養のまま受給へ(加入先の健保に基準を確認)
  3. 日額が基準以上なら、自治体で国保の見積り+国民年金(約1.8万円/月。配偶者の扶養だった人のみ)を足す
  4. 手当総額 −(国保+年金)を計算。プラスが大きければ、受給期間だけ扶養を外れる「出入り」で進める
  5. 扶養の外れ方・戻り方の手続きと注意点は、こちらの記事の通りに
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よくある質問

よくある質問

扶養に入ったまま失業保険をもらうとどうなりますか?

日額が基準(一般に3,612円)以上の場合、健康保険の扶養の要件を満たさない状態になります。発覚するとさかのぼって扶養を取り消され、医療費の返還を求められることもあります。「ばれなければ」で考えず、受給中だけ扶養を外れる正規の手順を踏んでください。

夫の会社に「扶養から外してください」と言いにくいのですが

健康保険の扶養の出入りは、結婚・出産・退職などで日常的に発生する普通の手続きです。「失業手当を受給する間だけ外れて、終わったら戻る」と伝えれば、担当者には話が通じます。気まずさを理由に要件違反の状態を続ける方が、後々の説明がずっと大変になります。

国民健康保険料はいくらになりますか?

前年の所得と自治体によって大きく異なるため、一律には言えません。多くの自治体がWebで試算シートや自動計算ツールを公開しているほか、窓口で前年の源泉徴収票を見せれば概算を出してもらえます。会社都合系の離職なら軽減制度(前年給与所得を30%として計算)の対象になる場合があるので、必ず確認してください。

90日分もらいきる前に就職が決まったら損ですか?

損ではありません。所定の条件を満たせば、残った給付日数に応じて「再就職手当」が一時金で支給されます。早く決まった方がトータルで得になる設計です。

年金を免除してもらえば、さらに得ですか?

失業特例の免除を使えば受給中の支出は減りますが、免除期間の分だけ将来の年金額は満額より少なくなります(あとから追納可能)。「得」というより「今の資金繰りの選択肢」と考えて、余裕があれば追納も検討してください。

まとめ

  • 比べるのは「手当の総額」と「受給中に払う国保+年金」の2つだけ。税金は関係ない(失業手当は非課税)
  • 標準的なケースの概算では、数十万円単位で受給が有利
  • 例外は3つ:日額3,611円以下(両取り可)/給付日数が短く保険料が高い/すぐ再就職する
  • 親の扶養だった人は年金がもともと自己負担のため、増えるのは国保だけ。受給有利にさらに傾く
  • 扶養を外れるのは受給中だけ。終われば戻れる
  • 判断の第一歩はハローワークで日額と給付日数を確認すること。数字が出れば判断材料がそろう

「もったいないから受給しない」は、たいてい計算する前の感覚です。3つの数字を並べて、電卓で10分。それだけで数十万円の判断が正しくできます。

※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料・給付額・扶養の認定基準は個別の状況と加入先・自治体によって異なります。正確な金額はハローワーク・市区町村・加入先の健康保険でご確認ください。

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