転職の年収交渉のやり方|切り出すタイミングと、角を立てない伝え方の例文
内定が出た。でも、提示された年収が思っていたより低い。「交渉したら内定を取り消されるかも」と思って、そのまま受け入れてしまう人は少なくありません。
年収交渉は、タイミングと伝え方さえ押さえれば、失礼なことではありません。この記事では、いつ・何を準備して・どう伝えるかを、例文つきで整理します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。交渉が通るかどうかは、会社の規定や個別の事情によって異なります。
交渉していいタイミングは「内定後、承諾する前」
いちばん交渉しやすいのは、内定の連絡を受けて、労働条件が示されたあと、承諾の返事をする前です。
| タイミング | 交渉のしやすさ | ポイント |
|---|---|---|
| 応募〜面接中 | △ | 「希望年収」を聞かれたら答える。こちらから金額の話を何度も持ち出すのは避ける |
| 内定後〜承諾前 | ◎ | 会社も「入社してほしい」と思っている段階。条件を確認して相談しやすい |
| 承諾したあと | × | 合意したあとで条件を変えてほしいと言うのは、かなり難しい |
内定の連絡を受けたら、まず労働条件を書面(メールやPDFも含む)でもらうところから始めます。書面で金額の内訳を見ないと、交渉の材料がそろいません。内定後の流れは内定が出たらやることにまとめています。
交渉の前に準備すること
① 今の年収の「内訳」を正確に出す
「年収400万円」と一言で言っても、中身はいろいろです。
- 基本給(月額)
- 賞与(年何回・何か月分)
- 残業代(月平均でいくらか)
- 手当(住宅・家族・通勤など)
源泉徴収票の「支払金額」が、前の年の年収(額面)の目安になります。
② 提示された条件の内訳を確認する
ここで見落としやすいのが、提示額に何が含まれているかです。
- 賞与は含まれているか(「想定年収」「理論年収」は賞与込みのことが多い)
- 固定残業代(みなし残業代)が含まれていないか。含まれているなら、何時間分か
- 試用期間中の給与は別か
「年収は上がるはずだったのに、残業代込みの金額だった」ということもあるので、同じ条件どうしで比べるのが大事です。
③ 相場と、自分の希望額・最低ラインを決める
- 求人票の年収の幅(「400万〜550万円」など)のどこに自分が入りそうか
- 同じ職種・業界の相場。口コミサイトの年収情報も参考になる
- 「この金額なら即決」という希望額と、「これを下回るなら辞退」という最低ラインを、先に決めておく

角を立てない伝え方
交渉のコツは、「上げてください」ではなく「相談させてください」という姿勢で伝えることです。そして、根拠を必ず添えます。
伝える順番
- 内定へのお礼と、入社したい気持ち
- 現在の年収(内訳)
- 希望額と、その根拠
- 「ご検討いただけないでしょうか」と相談の形でしめる
メールの例
件名:処遇についてのご相談(氏名)
〇〇株式会社 人事部 〇〇様
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。ぜひ貴社で働きたいと考えております。
ご提示いただいた条件について、一点ご相談させてください。
現在の年収は、基本給と賞与を合わせて〇〇万円です。これまでの〇〇の経験を貴社の〇〇業務で活かせると考えており、年収〇〇万円程度でご検討いただくことは難しいでしょうか。
難しい場合は、入社後の評価や昇給の仕組みについても教えていただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。
ポイント
- 希望額は、根拠のある範囲で。今の年収から大きく離れた金額は、説得力がなくなる
- 「ほかの会社では〇〇万円と言われた」は、事実なら伝えてもよいが、駆け引きに使いすぎない
- 一度で決めようとせず、「難しい場合は」と代わりの案を添えておくと、話が続きやすい
年収以外にも、交渉できることはある
年収そのものが動かなくても、ほかの条件で調整できることがあります。
| 交渉できること | 例 |
|---|---|
| 入社日 | 引き継ぎや有給消化のために、後ろにずらしてもらう |
| 役職・等級 | 等級が上がれば、入社後の昇給にも影響する |
| 手当 | 住宅手当、資格手当など |
| 働き方 | 在宅勤務の日数、勤務時間 |
| 評価の時期 | 入社半年後に見直しをしてもらう、など |
こうした条件の交渉も、転職エージェント経由なら担当者がまとめて企業とやり取りしてくれます。
交渉するときの注意点
- 前の年収を盛らない:入社後の年末調整で、前の会社の源泉徴収票を出すことが多く、実際の金額は分かります。信頼を失うだけでなく、トラブルの原因にもなります
- 合意した内容は、必ず書面で確認する:口頭の「上げておきます」だけで承諾しない
- 何度も交渉を重ねない:1〜2回で決着させるつもりで、準備してから臨む
- 交渉しただけで内定が取り消されることは一般的ではありませんが、根拠のない大きな要求や強い言い方は、印象を悪くすることがあります
自分で交渉するのが難しいなら
「お金の話を自分から切り出すのは苦手」という人は多いです。転職エージェント経由で応募すると、年収や入社日の交渉を、担当者が代わりにしてくれます。企業ごとの相場や、過去にどのくらい交渉が通ったかの情報を持っていることもあります。

よくある質問

面接で希望年収を聞かれたら、どう答えればいい?
今の年収と、希望の金額(または幅)を伝えます。「現在は〇〇万円です。〇〇万円程度を希望しますが、御社の規定に従います」のように、柔軟さも添えておくと話が進みやすくなります。詳しくは転職の面接でよく聞かれる質問10選も参考にしてください。
年収が下がる転職のとき、交渉してもいい?
もちろんです。下がること自体を受け入れていても、手当や評価の時期など、ほかの条件で調整できないか相談する価値はあります。
交渉を断られたら、どうすればいい?
決めておいた最低ラインと比べて判断します。年収以外の条件(働き方、仕事内容、将来の昇給の見込み)も含めて、総合的に考えてください。
承諾したあとに、やっぱり年収を上げてほしいと言える?
合意したあとの変更は難しいと考えてください。だからこそ、承諾する前に条件を確認し、相談しておくことが大切です。
内定を辞退することになったら?
条件が合わずに辞退するなら、早めに連絡します。伝え方は内定辞退の伝え方にまとめています。
まとめ
- 年収交渉は内定後・承諾前がいちばんしやすい
- 準備は、今の年収の内訳・提示額の内訳(固定残業代など)・希望額と最低ライン
- 伝え方はお礼 → 現在の年収 → 希望額と根拠 → 相談の形で
- 年収以外にも、入社日・役職・手当・働き方は交渉できる
- 前の年収は盛らない。合意した内容は書面で確認する
- 自分で言いにくいなら、エージェント経由で代わりに交渉してもらう方法もある

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。交渉の結果は、会社の規定や個別の事情によって異なります。

