雇い止めにあったら|契約を更新されないときの確認ポイントと失業保険
「次の契約は更新しない予定です」。契約社員やパート、アルバイトなど、期間を決めて働いている人にとって、突然の雇い止めは生活に直結する問題です。
ただ、雇い止めは会社が自由にできるものではありません。ルールを知っておくと、確認すべきことや、取れる行動が見えてきます。
この記事では、雇い止めにあったときに確認したいことと、失業保険の扱いを整理します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。個別の状況によって判断は異なります。
雇い止めとは
期間の決まった契約(有期労働契約)で働いている人の契約を、会社が期間の満了で更新しないことを「雇い止め(雇止め)」といいます。
契約期間が終われば雇用も終わるのが原則ですが、働く人を守るために、いくつかのルールがあります。
① 30日前までに予告があったか
次のどれかに当てはまる人を雇い止めする場合、会社は契約が終わる日の30日前までに予告しなければならないとされています(厚生労働省の基準)。
- 契約が3回以上更新されている
- 1年以下の契約が更新されて、最初の契約から通算1年を超えて働いている
- 1年を超える期間の契約で働いている
② 雇い止めの理由を書面でもらう
上の予告の対象になる人は、雇い止めの理由を書いた証明書を会社に求めることができます。求められたら、会社は遅滞なく交付しなければなりません。
この理由は、「契約期間が満了したから」以外の理由である必要があります。たとえば「担当していた業務が終了したため」「勤務態度が〇〇だったため」など、具体的な理由です。
雇い止めの理由について、証明書を交付していただけますでしょうか。
理由がはっきりすると、あとで説明する「雇い止めが認められるかどうか」を考える材料になります。
③ 雇い止めが無効になることもある(雇止め法理)
次のような場合、客観的に合理的な理由がなく、社会通念上相当と認められない雇い止めは認められないとされています(労働契約法第19条)。
- 何度も更新されていて、雇い止めが実質的に解雇と同じとみなせる場合
- 更新されると期待することに合理的な理由がある場合(「ずっと更新するよ」と言われていた、ほかの人はみんな更新されている、など)
この場合、働く人が更新を希望していれば、これまでと同じ条件で契約が更新されたとみなされることがあります。
更新を希望するなら、その意思をはっきり伝えておくことが大切です。メールなど、記録に残る形で伝えておくと安心です。
次回の契約についても、引き続き更新を希望します。
④ 5年を超えていたら「無期転換」できる
同じ会社で、有期契約が通算5年を超えて更新された場合、働く人が申し込めば、期間の定めのない契約(無期契約)に変わる仕組みがあります(労働契約法第18条・無期転換ルール)。会社は、この申し込みを断れません。
- 通算5年を超える契約期間中に、申し込む権利が発生する
- 申し込みは、口頭でもできるが、書面で残しておくのがおすすめ
- 一部の専門職や、定年後に継続して雇用される人などには特例がある
無期転換の申し込みを避けるために雇い止めをすることは、法の趣旨からみて望ましくないとされています。5年に近い時期の雇い止めは、とくに注意して確認してください。
失業保険は会社都合になる?
雇い止めで離職した場合、条件によって、失業保険で有利に扱われることがあります(ハローワークの基準)。
| 状況 | 扱い |
|---|---|
| 有期契約が更新されて3年以上働いていて、更新されなかった | 特定受給資格者(いわゆる会社都合) |
| 契約のときに更新すると明示されていたのに、更新されなかった | 特定受給資格者 |
| 本人は更新を希望したが、合意できずに更新されなかった | 特定理由離職者 |
どちらに当たっても、自己都合で辞めた場合より、給付制限がないなど有利になることがあります。
更新を希望していたことを示せるように、希望を伝えたメールなどを残しておきましょう。離職票が届いたら、離職理由が実際と合っているかを必ず確認してください。
困ったときの相談先
- 都道府県労働局の総合労働相談コーナー
- 労働基準監督署
- 弁護士・労働組合
公的な窓口については、労働基準監督署は何をしてくれる?もあわせて読んでみてください。
次の仕事を考えるなら
雇い止めをきっかけに、正社員や、もっと安定した働き方を目指す人もいます。契約社員やパートでの経験も、職務経歴としてしっかり伝えられます。
正社員経験が少ない人や、非正規の期間が長い人向けの就職支援もあります。

よくある質問

雇い止めの予告がなかったら、どうなりますか?
30日前の予告は、厚生労働省の基準で会社に求められていることです。予告がなかった場合や、雇い止めそのものに納得できない場合は、労働相談の窓口に相談してください。
派遣社員の場合はどうなりますか?
派遣で働く人の場合は、雇用契約を結んでいる派遣会社との関係で考えます。派遣ならではの注意点は派遣社員の辞め方にまとめています。
「次は更新しない」と、契約書に書かれていました
契約のときに「更新しない」と明示されていた場合は、更新への期待が認められにくくなります。ただ、実際の働き方や会社の説明によって判断は変わるので、納得できない場合は相談してください。
更新を断られたあとも、働き続けられますか?
雇止め法理に当てはまる場合は、これまでと同じ条件で更新されたとみなされることがあります。当てはまるかどうかは個別の事情によるので、専門の窓口に相談してください。
失業保険をもらいながら次を探したいです
離職票を受け取ったら、ハローワークで手続きをします。次の仕事は、ハローワークの求人と並行して、転職エージェントも使うと、選べる求人の幅が広がります。
まとめ
- 一定の条件に当てはまる人には、30日前までの予告が必要とされている
- 雇い止めの理由の証明書を求められる(「期間満了」以外の具体的な理由)
- 更新への期待に合理的な理由がある場合などは、雇い止めが認められないことがある(雇止め法理)
- 通算5年を超えたら、無期転換を申し込める
- 失業保険は、条件によって特定受給資格者(会社都合)や特定理由離職者になる。更新を希望した記録を残しておく

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。個別の状況によって判断は異なります。

