一般・特定一般教育訓練給付金とは|働きながら資格を取ると戻ってくるお金と手続き
資格の講座に申し込もうとして、受講料を見て手が止まった。
そんなときに確認してほしいのが、教育訓練給付金です。国が指定した講座を受けて修了すると、払った受講料の一部が、ハローワークから戻ってきます。会社を辞めなくても、働きながら使えます。
教育訓練給付金には3種類あります。この記事では、比較的短い講座で使いやすい「一般」と「特定一般」の2つを解説します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の情報です。給付の割合や条件は変わることがあります。受講の前に、ハローワークで最新の内容を確認してください。
どんなスクールが自分に合うのかを先に知りたい人は、5つの質問で調べられます。
3種類の違い
| 種類 | 戻ってくる割合 | 上限 | 講座の例 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 | 簿記、TOEIC、FPなど |
| 特定一般教育訓練 | 40%(資格を取って就職すると50%) | 20万円(同25万円) | 介護職員初任者研修など、仕事に直結する資格 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(条件を満たすと70%・80%) | 年40万円(同56万円・64万円) | 看護師、保育士、専門学校、大学院など |
専門実践教育訓練は、1年以上かけて学ぶ長い講座が中心です。くわしくは専門実践教育訓練給付金とはにまとめています。
使える人の条件
在職中の人も、退職した人も使えます。
| 立場 | 条件 |
|---|---|
| 在職中の人 | 受講を始める日に、雇用保険に入っていた期間が3年以上あること |
| 退職した人 | 退職の翌日から1年以内に受講を始めること。雇用保険に入っていた期間が3年以上あること |
初めて使う人は、1年以上で使えます(当面の間の扱いです)。
知っておきたいポイントは3つです。
- 転職していても、空白の期間が1年以内なら、前の会社の期間と合算できる
- 過去に教育訓練給付金を使ったことがある人は、前回の受講開始日よりあとに、雇用保険に入っていた期間が3年以上必要
- 病気・けが・妊娠・出産・育児などで、30日以上受講を始められないときは、ハローワークに申し出ると、「1年以内」の期間を延ばせる(合わせて最長20年)
いくら戻ってくる?
一般教育訓練
受講料の20%が戻ります。上限は10万円です。
- 受講料10万円の講座 → 2万円
- 受講料30万円の講座 → 6万円
受講を始める前の1年以内に、キャリアコンサルタントの面談(キャリアコンサルティング)を受けた場合は、その費用を2万円まで、受講料に足して申請できます。
特定一般教育訓練
修了すると、受講料の40%が戻ります。上限は20万円です。
さらに、その講座に関係する資格を取って、修了から1年以内に就職した場合(すでに働いている人が資格を取った場合も含む)は、10%(上限5万円)が追加されます。
厚生労働省のパンフレットにある例です。
| 受講料など | 戻ってくる額 | |
|---|---|---|
| 修了したとき | 30万円(入学料5万円+受講料25万円) | 12万円(40%) |
| 資格を取って就職したとき | - | 3万円(10%) |
| 合計 | 30万円 | 15万円 |
対象にならない費用
戻ってくる計算のもとになるのは、入学料と受講料(最大1年分)です。次のものは含まれません。
- 検定試験の受験料
- 必須ではない補助教材の費用、補講の費用
- 交通費、パソコンなどの機材の費用
- クレジットカードの手数料
また、一般・特定一般のどちらも、計算した額が4,000円を超えない場合は支給されません。
対象になる講座の探し方
対象になるのは、厚生労働大臣が指定した講座だけです。同じ資格の講座でも、スクールやコースによって、対象のものと対象でないものがあります。
厚生労働省の「教育訓練給付金 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」で、資格の名前や地域から探せます。
特定一般教育訓練の対象には、次のような講座があります。
- 介護職員初任者研修、介護支援専門員の実務研修など、仕事に必要な資格を取るための課程
- 情報通信技術の資格(ITスキル標準のレベル2)を目指す課程
- 大学や専門学校の、短い期間の実践的なプログラム
- 技能検定などの合格を目指す課程
スクールの無料相談では、「このコースは教育訓練給付金の対象ですか」と最初に聞いておくと確実です。
手続きの流れ(ここで差がつきます)
一般と特定一般で、受講の前にやることが違います。
| 一般教育訓練 | 特定一般教育訓練 | |
|---|---|---|
| 受講の前 | 手続きは必須ではない。支給要件照会で、対象かどうかを事前に確認できる(任意) | 訓練前キャリアコンサルティングを受けて、受講開始日の2週間前までにハローワークで受給資格の確認 |
| 修了のあと | 修了日の翌日から1か月以内に支給申請 | 修了日の翌日から1か月以内に支給申請 |
| 追加の給付 | なし | 資格を取って就職した日の翌日から1か月以内に、2回目の申請 |
一般教育訓練は「支給要件照会」で事前に確認できる
自分が対象か、受けたい講座が指定を受けているかは、ハローワークに「教育訓練給付金支給要件照会票」を出すと確認できます。窓口のほか、電子申請や郵送でも出せます。電話での照会は受け付けていません。
雇用保険に入っていた期間がはっきりしない人は、申し込む前に確認しておくと安心です。
特定一般教育訓練は「受講の前」が勝負
特定一般教育訓練は、受講を始める前の手続きをしていないと、給付金を受け取れません。
- 訓練前キャリアコンサルティングを受ける(決められた研修を受けたキャリアコンサルタントとの面談)
- 面談で作ったジョブ・カードを受け取る
- 受講開始日の2週間前までに、ジョブ・カードと確認票をハローワークに出す
「申し込んでから給付金のことを知った」では間に合いません。講座に申し込む前に、ハローワークで流れを確認してください。
修了したあとの申請に必要なもの
- 支給申請書
- 修了証明書(スクールが発行)
- 領収書
- 教育訓練経費等確認書
- 本人確認書類、マイナンバーが分かるもの
- 振込先の口座が分かるもの(通帳やキャッシュカード)
期限は修了日の翌日から1か月以内です。過ぎると受け取れなくなるので、修了したらすぐに手続きをしましょう。窓口のほか、電子申請や郵送でも申請できます。
もらい損ねやすい5つのポイント
- 対象の講座ではなかった:同じスクールでも、コースによって対象かどうかが違う
- 受講の前の手続きをしていなかった(特定一般):2週間前までに済ませる
- 修了できなかった:出席率や課題の基準を満たして「修了」しないと支給されない
- 申請の期限を過ぎた:修了日の翌日から1か月以内
- 割引やキャッシュバックを申告していなかった:スクールの割引や還付があるときは、その分を引いた額で申請する。パソコンの無償提供なども含まれる
うその申請をすると、受け取った額の返還に加えて、その2倍の額の納付を命じられることがあります。
資格を取ったあとの仕事探しまで考えるなら、その資格が生きる求人がどのくらいあるのかを、先に相談しておくのもおすすめです。

よくある質問

パートやアルバイトでも使えますか?
雇用保険に入っていて、期間の条件を満たしていれば使えます。雇用保険に入っているかどうかは、給与明細で雇用保険料が引かれているかで確認できます。
会社に知られずに使えますか?
手続きは、自分でハローワークに対して行います。会社を通す手続きではありません。
休職中でも使えますか?
条件は、雇用保険に入っていた期間と、受講を始める時期です。休職中かどうかは、条件には書かれていません。ただし、傷病手当金をもらっている場合は、通学の負担などについて、主治医と健康保険に確認してから始めると安心です。くわしくは辞める前に資格を取るという選択肢にまとめています。
失業保険をもらいながら使えますか?
使えます。退職の翌日から1年以内に受講を始めれば、対象になります。ただし、昼間に通う講座の場合、失業の認定日と受講日が重なっても、原則として認定日は変更できないので、日程に注意してください。失業保険をもらっている人は、受講料がかからない公共職業訓練も選べます(公共職業訓練とは)。
一度使ったら、もう使えませんか?
もう一度使えます。ただし、前回の受講開始日よりあとに、雇用保険に入っていた期間が3年以上必要です。
自分が対象かどうかは、どこで分かりますか?
住所を管轄するハローワークで確認できます。「教育訓練給付金の支給要件を照会したい」と伝えてください。
まとめ
- 教育訓練給付金は、働きながら使える。国が指定した講座の受講料の一部が戻る
- 一般:20%(上限10万円)。特定一般:40%(上限20万円)、資格を取って就職すると50%(上限25万円)
- 条件は、雇用保険に入っていた期間が3年以上(初めてなら1年以上)
- 特定一般は、受講開始日の2週間前までに、訓練前キャリアコンサルティングとハローワークでの確認が必要
- 修了したら、翌日から1か月以内に申請
- 対象の講座かどうかは、申し込む前に確認する
先に「何を学ぶか」「どこで学ぶか」が決まると、手続きはスムーズに進みます。
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。給付の条件・金額・手続きは、個別の事情や受講を始める時期によって異なります。ハローワークでご確認ください。

