ハローワークで資格取得する3つの方法|職業訓練と給付金、自分に合う制度の選び方
ハローワークで資格が取れると聞いたけれど、調べると「職業訓練」「求職者支援」「教育訓練給付」と似た名前が並んでいて、どれが自分の話なのか分からない。
先に結論を書くと、ハローワークで資格を取る方法は大きく3つあります。どれを使えるかは、「いま働いているか」と「失業保険をもらえるか」の2つでほぼ決まります。
この記事は、3つの制度の中から自分に合うものを選ぶための入口です。それぞれのくわしい条件や金額は、制度ごとの記事に任せます。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。訓練のコースや給付の条件は、地域や時期によって変わります。申し込む前に、ハローワークで最新の内容を確認してください。
何を学ぶかがまだ決まっていない人は、先にどんなスクールが合うのかを調べてみる方法もあります。
ハローワークで資格を取る3つの方法
| 公共職業訓練 | 求職者支援訓練 | 教育訓練給付金 | |
|---|---|---|---|
| ひとことで言うと | 失業保険をもらいながら通う訓練 | 失業保険をもらえない人が通う訓練 | 自分で選んだ講座の受講料が一部戻る |
| 主な対象 | 主に失業保険を受給している人 | 雇用保険に入っていなかった人、受給が終わった人、自営業をやめた人など | 雇用保険に一定の期間入っていた人(在職中も可) |
| 受講料 | 無料(テキスト代などは自己負担) | 無料(テキスト代などは自己負担) | いったん自分で払い、修了後に20〜80%が戻る |
| 受講中のお金 | 失業保険+手当 | 条件を満たすと月10万円の給付金 | 原則なし(一部の人に別の給付あり) |
| 期間 | おおむね3か月〜2年 | 2〜6か月 | 講座による |
上の2つは「ハロートレーニング」と呼ばれる職業訓練です。ハローワークが窓口になり、決まったコースに通います。
3つ目の教育訓練給付金は、仕組みが違います。通う講座は自分で選び、費用もいったん自分で払います。国が指定した講座を修了すると、ハローワークから受講料の一部が戻ります。
自分はどれ?状況別の選び方
次の順に当てはめてみてください。
| いまの状況 | まず検討する制度 |
|---|---|
| 在職中で、辞めずに資格を取りたい | 教育訓練給付金 |
| 退職して、失業保険をもらえる | 公共職業訓練(講座を自分で選びたいなら教育訓練給付金) |
| 退職したが、失業保険をもらえない・もらい終わった | 求職者支援訓練 |
| パートなどで働きながら、正社員を目指して学びたい | 求職者支援訓練(収入などの条件あり) |
迷いやすいのは、退職して失業保険をもらえる人です。公共職業訓練と教育訓練給付金のどちらも使える可能性があるからです。選び方は、あとの「取りたい資格から逆算する」で説明します。
1. 公共職業訓練|失業保険をもらいながら通う
主に失業保険を受給している人が対象の訓練です。受講料は無料で、期間はおおむね3か月〜2年。介護、情報処理、電気設備、自動車整備など、仕事に直結するコースが用意されています。
資格との関係は、コースによって違います。
- 修了すると資格が取れるコース
- 資格試験の受験対策をするコース
- 資格よりも実技の習得が中心のコース
募集案内には「取得できる資格」「目指す資格」の欄があります。受験料が自己負担になる試験もあるので、申し込む前に確認しておきましょう。
知っておきたいのは、申し込めば全員が通えるわけではないことです。定員があり、面接や筆記の選考があります。
失業保険との関係(給付が延びる場合があること、手当の上乗せなど)は、公共職業訓練(ハロートレーニング)とは?にまとめています。
2. 求職者支援訓練|失業保険をもらえない人のための訓練
雇用保険に入っていなかった人、失業保険をもらい終わった人、フリーランスや自営業をやめた人などが対象です。訓練の期間は2〜6か月で、受講料は無料です。
条件を満たすと、訓練を受けている間、月10万円の職業訓練受講給付金を受け取れます。主な条件は次のとおりです。
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月30万円以下
- 世帯全体の金融資産が300万円以下
- 訓練のすべての実施日に出席する(やむを得ない理由がある場合でも8割以上)
給付金の条件に当てはまらなくても、訓練だけを無料で受けられる場合があります。働いていて一定の収入がある人も対象になり得るので、「給付金は無理そうだから」と最初からあきらめなくて大丈夫です。
くわしい条件と申請の流れは、職業訓練受講給付金とは?で解説しています。
3. 教育訓練給付金|自分で選んだ講座の受講料が戻る
雇用保険に入っていた期間が一定以上ある人が、国の指定した講座を修了すると、受講料の一部が戻る制度です。会社を辞めなくても使えます。退職した人は、原則として退職の翌日から1年以内に受講を始めることが条件です。
| 種類 | 戻ってくる割合 | 講座のイメージ |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20%(上限10万円) | 比較的短い講座 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(上限20万円)。資格を取って就職すると50%(上限25万円) | 仕事に直結する資格の講座 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(年間上限40万円)。条件を満たすと70%・80% | 1年以上かけて学ぶ専門的な講座 |
対象の講座は、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で探せます。
注意したいのは、特定一般と専門実践は、受講を始める前にハローワークでの手続きが必要なことです。申し込んでから制度を知っても間に合いません。
- 一般・特定一般 → 一般・特定一般教育訓練給付金とは
- 専門実践 → 専門実践教育訓練給付金とは?
取りたい資格から逆算する|職業訓練と教育訓練給付金の違い
退職して失業保険をもらえる人は、次の違いで選ぶと決めやすくなります。
| 比べるところ | 職業訓練(公共・求職者支援) | 教育訓練給付金 |
|---|---|---|
| 講座の選び方 | 地域で募集しているコースから選ぶ | 指定講座の中から自分で選ぶ |
| 始められる時期 | 募集の時期が決まっている | 講座ごと。通信や夜間の講座もある |
| 選考 | あり(落ちることもある) | 講座による |
| 費用 | 受講料は無料 | いったん全額を自分で払う |
| 通い方 | 平日の昼間に通うコースが中心 | 働きながら通える講座もある |
目安としては、次のように考えられます。
- 取りたい資格のコースが近くで募集されていて、時期も合う → 職業訓練
- 取りたい資格が決まっていて、訓練のコースに無い・時期が合わない → 教育訓練給付金
- 早く再就職したい。学ぶのは働きながらでいい → 教育訓練給付金
訓練は「受けられたら得」と考えがちですが、選考に落ちると数か月待つことになります。待つあいだの生活費も含めて考えてください。
見落としやすい2つの制度
短い資格講座に使える「短期訓練受講費」
失業保険の受給資格がある人などが、ハローワークの職業指導を受けたうえで、資格取得を目標とする1か月未満の講座を修了すると、受講料の2割(上限10万円)が支給される制度です。
ポイントは、受講を始める前に、ハローワークで手続きを済ませる必要があることです。先に受講してしまうと対象になりません。対象になる講座にも条件があるので、短い講習で取れる資格を考えている人は、申し込む前に窓口で聞いてみてください。
自分で学ぶと、給付制限がなくなる場合がある
自己都合で退職すると、失業保険には原則1か月の給付制限があります。2025年4月からは、教育訓練給付金の対象講座などを自分で受けた人は、この給付制限が解除されるようになりました。
対象になるのは、退職日の前1年以内に受けた訓練か、退職日以後に受けている訓練です。自動では適用されず、ハローワークへの申し出が必要です。
窓口ではこう聞く
ハローワークの職業相談の窓口で、次のように伝えると話が早く進みます。
◯◯の資格を取って、△△の仕事に就きたいと考えています。
私の場合、職業訓練と教育訓練給付金のどちらが使えますか。
いま募集している訓練のコースと、申込みの締切も教えてください。
伝えておくとよい情報は3つです。
- いまの状況(在職中、退職した日、失業保険の手続きをしたかどうか)
- 雇用保険に入っていた期間(だいたいでかまいません)
- 取りたい資格、または就きたい仕事
資格を取ったあとの仕事探しまで考えるなら、その資格を生かせる求人がどのくらいあるのかを、先に相談しておく方法もあります。

よくある質問

ハローワークに行けば、資格を無料で取れますか?
職業訓練の受講料は無料ですが、テキスト代や、資格試験の受験料は自己負担になることがあります。また、すべての資格にコースがあるわけではありません。まず、取りたい資格のコースが地域にあるかを確認してください。
在職中でも、ハローワークの制度で資格を取れますか?
教育訓練給付金は、在職中でも使えます。求職者支援訓練も、収入などの条件を満たせば、働きながら受けられる場合があります。在職中に使える制度は、辞める前に資格を取るという選択肢にまとめています。
職業訓練と教育訓練給付金は、両方使えますか?
制度としては別のものです。ただし、同じ時期に両方を進められるかどうかは、通う時間や失業保険の認定との関係で変わります。組み合わせを考えている場合は、ハローワークで確認してください。
職業訓練の選考に落ちたら、どうなりますか?
次の募集に申し込むか、別のコースや教育訓練給付金に切り替えることになります。選考では「学んだことをどう就職につなげるか」が見られることが多いので、取りたい資格と就きたい仕事をセットで話せるようにしておくと安心です。
雇用保険に入っていた期間が短いのですが、使える制度はありますか?
求職者支援訓練は、雇用保険に入っていなかった人も対象です。教育訓練給付金は、初めて使う場合は条件がゆるくなる扱いがあります。自分が対象かどうかは、ハローワークで照会できます。
どの資格を取ればいいか、決まっていません。
先に「どんな仕事に就きたいか」から考えるのがおすすめです。ハローワークの職業相談では、求人の多い職種や、その仕事で求められる資格を教えてもらえます。
まとめ
- ハローワークで資格を取る方法は、公共職業訓練・求職者支援訓練・教育訓練給付金の3つ
- 使える制度は、「在職中か」「失業保険をもらえるか」でほぼ決まる
- 職業訓練は受講料が無料。ただし募集の時期と選考がある
- 教育訓練給付金は講座を自分で選べる。受講料はいったん自分で払う
- 特定一般・専門実践と短期訓練受講費は、受講を始める前の手続きが必要
- 迷ったら、取りたい資格と就きたい仕事を持って、ハローワークの窓口で聞く
制度を選ぶ前に、「何を学ぶか」の見当がついていると、窓口での相談も具体的になります。
※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。訓練のコース、給付の条件・金額・手続きは、地域や個別の事情、受講を始める時期によって異なります。ハローワークでご確認ください。
