離職票とは?1と2の違い・何に使う・もらい方・再発行まで【届いたら見る3か所】
離職票は、ひとことで言えば「失業保険(雇用保険の基本手当)をもらうためのチケット」です。退職しただけでは発行されず、会社経由の手続きを経てハローワークが交付します。
そして届いてみると、「離職票-1と-2の2枚があるけど何が違う?」「どこを確認すればいい?」と戸惑う書類でもあります。特に離職票-2の「離職理由」欄は、給付制限の有無・給付日数・受給資格の要件に影響する最重要ポイントです(日額そのものは離職前6か月の賃金から計算されますが、理由次第で受給総額に大きな差が出ます)。
この記事では、離職票の役割、1と2の違い、もらい方、届いたら確認すべき3か所、紛失時の再発行まで、この1本で分かるように整理します。
この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。個別の状況は管轄のハローワークにご確認ください。
離職票とは:何に使う書類?

離職票(雇用保険被保険者離職票)は、ハローワークが交付する公的書類で、主な使い道は次のとおりです。
- 失業保険(基本手当)の受給手続き:これが本来の用途。離職票なしでは受給資格の決定ができません
- 国民健康保険・国民年金の切り替え:退職日を証明する書類として使える自治体が多い
- 国保料の軽減申請:離職理由コードによって、特定受給資格者・特定理由離職者向けの保険料軽減が受けられる場合があります
会社が発行する「退職証明書」とは別物です。違いはこちらで詳しく:退職証明書とは?
もらい方はシンプルで、退職前に会社へ「離職票をください」と伝えるだけ。会社は退職日の翌々日から10日以内にハローワークへ手続きし、あなたの手元には退職後10日〜2週間前後で届くのが目安です。届かないときの催促・仮手続きはこちら:離職票が届かないときの対処法
離職票-1と離職票-2の違い

届く封筒には、通常この2枚(+パンフレット類)が入っています。
| 離職票-1 | 離職票-2 | |
|---|---|---|
| 正式名称 | 雇用保険被保険者離職票-1 | 雇用保険被保険者離職票-2 |
| 中身 | 被保険者番号・資格喪失年月日など+振込先口座の記入欄 | 離職前の賃金額(直近6か月以上)と離職理由 |
| あなたが書く欄 | 求職者給付の振込先金融機関 | 右側の離職理由の本人判断欄(異議の有無)と署名 |
| サイズ感 | A4の通知書スタイル | 横長の複写式明細スタイル |
2枚セットで1つです。ハローワークには両方持っていきます。どちらか片方しかない場合は、会社かハローワークに確認してください。
届いたら確認する3か所(ここで金額と開始時期が決まる)

離職票-2を開いたら、次の3か所をチェックしてください。
- 離職理由(左下の事業主記入欄+離職区分コード):「自己都合」か「会社都合等」かで、給付制限の有無・給付日数・国保軽減の対象かが変わります。事実と違う場合は、右側の本人判断欄で「異議あり」に○をして署名してください。最終判断はハローワークが行います
- 賃金額(直近6か月):基本手当の日額はここから計算されます。残業代や手当を含む額面と大きくズレていないか、給与明細と突き合わせを
- 被保険者期間:受給資格の判定に使われます。原則は離職前2年間に通算12か月以上。離職日から1か月ごとに区切り、賃金支払基礎日数が11日以上(または賃金支払いの基礎となった時間が80時間以上)ある月を1か月と数えます。特定受給資格者・特定理由離職者は離職前1年間に通算6か月以上で足りる場合があります。欠勤が多かった月がある人は特に確認を
「会社都合なのに自己都合にされていた」は珍しくないトラブルです。異議を出すときは、雇用契約書・給与明細・残業記録・やり取りのメールなど、裏付けになるものを持参してください。離職理由による違いはこちら:

紛失した・書き損じた:再発行の手順

離職票をなくしても、失業保険をあきらめる必要はありません。再発行はハローワークで受けられます。
- 窓口:原則として、離職した会社の所在地または現在の住所地を管轄するハローワークへ、本人確認書類を持参。「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」を記入します(取扱いは事前に電話確認が確実です)
- 電子申請:e-Govからの再交付申請にも対応しています(電子署名等が必要)
- 会社経由でなくてOK:辞めた会社に頭を下げる必要はありません
なお、書き損じ(振込先を書き間違えた等)は、窓口で訂正方法を案内してもらえます。自分で修正液を使うのは避けてください。
こんなときは?ケース別の要不要

- 次の会社が決まっている(空白なし):失業保険を受けないので基本的に使いません。ただし捨てないで保管を。次の会社を短期で離職した場合、前職の離職票が必要になることがあります(被保険者期間は通算されるため)
- 公務員になる:雇用保険の適用外のため失業保険の手続きはありませんが、書類として保管しておくと安心です
- すぐ働けない(病気・出産・介護):失業保険の受給期間延長を申請する際に離職票を使います。働ける状態になってから受給できます
- 65歳以上で退職:基本手当ではなく「高年齢求職者給付金」を受けられる可能性があります(原則、離職前1年間に被保険者期間が通算6か月以上・求職中であること等の要件あり)。手続きに離職票が必要な点は同じです
- マイナポータルで受け取りたい:会社が電子申請で手続きし、本人がマイナポータルで受け取り設定をしている場合、離職票を電子データで受け取れる仕組みがあります。対応可否は会社の手続き方法によるため、退職前に人事へ確認を
失業保険の手続きと全体スケジュールはこちら:

よくある質問

離職票に有効期限はありますか?
離職票自体に「期限切れで無効」という仕組みはありませんが、失業保険の受給期間が原則、離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、離職票があっても所定の給付を受け切れません。手続きは早いほど有利です。
アルバイト・パートでも離職票はもらえますか?
雇用保険に加入していれば、雇用形態を問わず交付を請求できます。週20時間以上働いていた人は加入していた可能性が高いので、給与明細の雇用保険料欄を確認してください。
離職票のコピーで手続きできますか?
紙で交付された離職票は、原則として原本を持参します。マイナポータルで直接交付された離職票は、スマートフォン等でPDFを提示して手続きでき、通常は印刷不要です。国保などの窓口ではコピーや他の書類で足りる場合もありますが、原本(または電子データ)は必ず手元に保管してください。
離職票-2の賃金額に交通費は含まれますか?
通勤手当も原則「賃金」に含まれます。給与明細の総支給額と見比べて、大きく少ない場合は会社またはハローワークに確認してください。基本手当の金額に直結します。
離職理由に異議を出したら会社と揉めませんか?
異議の申し出はハローワークに対して行うもので、会社の承諾は不要です。ハローワークが双方から事情を聞いて判定します。事実に基づく主張なら、ためらう必要はありません。
まとめ
- 離職票は失業保険のチケット。ハローワーク交付の公的書類で、退職証明書とは別物
- 離職票-1は口座登録、離職票-2は賃金と離職理由。2枚セットで使う
- 届いたら見るのは離職理由・賃金額・被保険者期間の3か所。理由が事実と違えば「異議あり」に○
- 紛失してもハローワークで再発行できる(会社経由不要・電子申請可)
- 転職先が決まっていても捨てずに保管。受給期間は離職日の翌日から1年なので、使うなら早く
離職票は「届いて終わり」ではなく「開いて確認して、初めて意味がある」書類です。3か所のチェックだけは、面倒でも必ずやってください。数十万円単位で差がつくことがあります。
※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。個別の判断は管轄のハローワークにご確認ください。
