失業保険と個人事業主・フリーランス|開業届を出すともらえない?準備中の扱いと申告

masahiro
▼退職前に知っておきたいお金の相談なら▼

PR:社会保険給付金サポート【退職コンシェルジュ】

【PR】完全無料のキャリアコーチングで
自分に合った仕事を見つける▼

会社を辞めて、フリーランスや個人事業主としてやっていこうか考えている。でも、失業保険はもらえるのか。開業届を出したら止まるのか。準備をしているだけでもダメなのか。

結論から書きます。事業を始めた人は「失業」の状態ではなくなるので、失業保険(基本手当)は受け取れません。ただし、次の3つは知っておく価値があります。

  • 就職先を探しながら、並行して開業の準備・検討をしている段階なら、受給できる場合がある
  • 受給の手続きをしたあとに開業すると、再就職手当の対象になる場合がある
  • 開業する人には、失業保険の権利を最長3年間とっておける特例がある

この記事では、準備中の線引き、開業届のタイミング、正しい申告のしかたを順に説明します。

※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。失業の状態にあたるかどうかは、活動の実態を見てハローワークが個別に判断します。開業の前に、管轄のハローワークで確認してください。

独立するか、もう一度会社で働くかをまだ決めきれていない人は、いまの経験でどんな求人があるのかを聞いてみる方法もあります。

基本の考え方:失業保険は「就職しようとしている人」の制度

失業保険を受け取れるのは、働く意思と能力があり、仕事を探しているのに、就職できていない人です。

厚生労働省がハローワーク向けに定めている取扱い(業務取扱要領)では、次のように整理されています。

  • 自営だけを希望している人は、失業保険でいう「働く意思がある人」として扱われない
  • ただし、求職活動と並行して創業の準備・検討をしている人は、準備に専念しているのでなく、ハローワークの職業紹介に応じられる状態であれば、受給の手続きができる
  • 自営業を開始した場合は「就職」と同じ扱いになる。収入があるかどうかは問わない

つまり、分かれ目は「個人事業主になるつもりがあるか」ではありません。いま、会社に就職する道も本気で探しているか。紹介があれば応じられるかです。

あなたはどれ?パターン別の扱い

状況失業保険(基本手当)検討できる制度
退職してすぐ開業する(就職は考えていない)受け取れない受給期間の特例
就職先を探しながら、開業も検討している受け取れる場合がある-
受給の手続きをしたあとで、開業を決めた開業した日から受け取れない再就職手当、受給期間の特例
在職中から続けている副業を、退職後も続ける働き方の実態による窓口で確認
受給中に、単発の業務委託を受けた働いた日は申告が必要。内容により不支給や減額-

一番下の「受給中に働いた日」の扱いは、失業手当の受給中に働いたら?にまとめています。

開業の「準備中」は、どこまでなら受給できる?

ここがいちばん気になるところだと思います。業務取扱要領には、次のような目安が書かれています。

準備の中身扱い
事務所の設営など、開業に向けて続けて行う性質の準備を始めた原則として「準備に専念している」と扱われる(=受け取れない)
事業の許可を取る申請や、事務所を借りる契約の手続きをしているだけ求職活動と両立できるかどうかを、個別の事情で判断
準備の活動が1日4時間以上ある日その日は「就職」とみなされる
1日4時間未満でも、準備に専念していて求職活動をしていない就職しているものとして扱われる

情報を集める、事業の計画を考える、といった「検討」の段階と、店舗や事務所を整えはじめた段階とでは、扱いが変わります。

ただし、どこからが「専念」なのかは、最終的にハローワークが個別に判断します。「これくらいなら大丈夫だろう」と自分で線を引かず、やっていることをそのまま伝えて確認するのが、いちばん安全です。

開業届を出したらどうなる?出すタイミングは?

開業届そのものより、「事業を始めた日」が見られる

開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、税務署に出す税金の届出です。ハローワークに出すものではありません。

失業保険の側で見られるのは、届を出したかどうかよりも、実際に事業を始めたか、準備に専念しているかです。裏を返すと、こうなります。

  • 開業届を出していなくても、実際に事業を始めていれば、失業の状態ではない
  • 開業届には「開業した日」を自分で書く。その日以降を「失業している」と申告すると、つじつまが合わなくなる

「開業届を出さなければもらい続けられる」という話ではないので、注意してください。

開業届と青色申告の期限

国税庁の案内(2026年10月時点)では、期限は次のとおりです。

届出期限
個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)事業を始めた日の属する年分の確定申告期限まで
所得税の青色申告承認申請書青色申告をしたい年の3月15日まで。1月16日以後に開業した場合は、開業した日から2か月以内

開業届の期限は、以前は「開業から1か月以内」と案内されていました。古い情報が残っていることがあるので、国税庁のサイトで最新の内容を確認してください。

タイミングの考え方

「いつ出すのが得か」ではなく、実際に事業を始める日を決めて、その前にハローワークへ相談する、という順番で考えるのが確実です。

  • 就職も探している段階 → 求職活動を続け、準備の内容は認定のたびに申告する
  • 開業すると決めた → 開業の前にハローワークへ。再就職手当と受給期間の特例のどちらを使えるかを確認する
  • 開業した → 開業した日の前日までの分について、失業の認定を受ける

「バレない方法」は成り立たない

「開業していてもバレない方法」を探している人もいるかもしれません。先に書いておくと、そうした方法はこの記事では紹介しません。理由は、うまくいかないうえに、失うものが大きすぎるからです。

  • 開業届、契約書、請求書、口座への入金など、事業をしていた日付はあとから確認できる形で残ります
  • 開業したことを隠して失業保険を受け取ると、不正受給になります
  • 不正受給になると、受け取った額の返還に加えて、最大でその2倍の額の納付を命じられることがあります。その後の給付も止まります

一方、正直に申告した場合に起きるのは、「その日の分が支給されない」「再就職手当や特例の手続きに切り替わる」といった調整だけです。申告して損をする場面は、ほとんどありません。

申告を忘れていたことに気づいた場合の動き方は、失業保険の不正受給はバレる?で説明しています。

正しく申告する方法

手続きのとき(最初にハローワークへ行く日)

開業を検討していることは、隠さずに伝えてかまいません。伝え方の例です。

会社への就職を探していますが、並行して、個人で仕事を請けることも検討しています。
いまは情報を集めている段階で、事務所の契約などはしていません。
紹介していただける求人があれば、応募するつもりです。

事実と違うことを言う必要はありません。やっていることと、就職の意思の両方をそのまま伝えるのがポイントです。

認定日ごと(失業認定申告書)

4週間に1回の認定日には、失業認定申告書を出します。次のことは、収入がなくても書いてください。

  • 開業の準備をした日と、おおよその時間
  • 業務委託などで働いた日と時間、受け取った(受け取る予定の)金額
  • 開業した場合は、その日付

書き方に迷うときは、空欄のまま持って行き、窓口で内容を説明すれば、書き方を教えてもらえます。

開業する人が使える2つの制度

再就職手当

受給の手続きをしたあと、失業保険の残りの日数を3分の1以上残して開業した場合、再就職手当の対象になることがあります。事業が1年を超えて安定して続けられると、ハローワークが認めることなどが条件です。

自己都合などで給付制限がある人は、事業を始める日(準備を始めた日を含む)が、待期の満了から1か月を過ぎていることも必要です。条件と金額の基本は、再就職手当の条件といくらもらえるかを参考にしてください。

受給期間の特例(最長3年、権利をとっておける)

失業保険を受け取れる期間は、原則として退職の翌日から1年です。事業を始めると、その間に期限が切れてしまいます。

そこで、事業をしている期間を、最長3年までこの1年に数えない特例があります。もし事業をやめることになったとき、あらためて就職先を探しながら失業保険を受け取れるようにするための制度です。

主な条件は次のとおりです。

  • 事業の実施期間が30日以上であること
  • 事業を始めた日(事業に専念し始めた日、準備に専念し始めた日を含む)から30日後の日が、もとの受給期間のうちにあること
  • その事業で、再就職手当を受け取っていないこと
  • 開業届の写しなどで、事業の開始と内容、事業所の実在が確認できること
  • 退職の翌日以後に始めた事業であること

申請の期限は、事業を始めた日などの翌日から2か月以内です。提出先は住所を管轄するハローワークで、郵送でも出せます。

再就職手当とこの特例は、同じ事業について両方は使えません。どちらが合うかは、残りの日数や事業の見通しで変わります。

開業の準備を進めながら、会社員に戻る道も残しておきたい人は、求人の情報だけ先に集めておく方法もあります。

合わせて読みたい
type転職エージェントの評判・特徴まとめ|首都圏・IT・営業転職に強い理由
type転職エージェントの評判・特徴まとめ|首都圏・IT・営業転職に強い理由

よくある質問

よくある質問

在職中から副業で個人事業をしています。退職したら失業保険はもらえますか?

退職の前から続けている自営業によって、手続きの時点で「就職している状態」にあたると判断されると、受給の手続きができません。一方、ごく短時間の副業で、就職先を探すことと両立できる場合は、扱いが変わることがあります。副業の内容と時間をそのまま伝えて、窓口で確認してください。

開業届を出さずに仕事を請けていれば、受給を続けられますか?

続けられません。見られるのは開業届の有無ではなく、実際に働いたかどうかです。働いた日を申告しないと不正受給になります。

会社を作って、自分が代表になる場合はどうなりますか?

自分を代表取締役とする会社の設立登記をすると、実際に営業を始めたかどうかにかかわらず、登記の日以後は就職したのと同じように扱われるのが原則です。登記の前に、ハローワークへ相談してください。

開業したあと、うまくいかずに廃業したら、失業保険はもらえますか?

受給期間の特例を申請していれば、廃業したあとに、残っている日数分を受け取れる可能性があります。申請していない場合は、退職の翌日から1年の期限のうちに残っている分だけが対象です。

フリーランスとして働いた期間は、雇用保険に入れますか?

雇用保険は、会社などに雇われて働く人の制度です。個人事業主として働いている期間は、原則として加入の対象になりません。

待期の7日間に、開業の準備をしてもいいですか?

準備をした日が「就職」とみなされると、その日は待期の日数に数えられず、待期の終わりが後ろにずれます。待期のあいだは、準備の予定を入れすぎないほうが無難です。

まとめ

  • 事業を始めた人は「失業」ではないので、失業保険は受け取れない
  • 就職先を探しながら開業を検討している段階なら、受け取れる場合がある
  • 判断されるのは開業届の有無ではなく、実際に事業を始めたか・準備に専念しているか
  • 準備をした日、働いた日は、収入がなくても申告する。隠すと不正受給になる
  • 開業する人には、再就職手当と受給期間の特例(最長3年)がある。同じ事業で両方は使えない
  • 特例の申請は、事業を始めた日などの翌日から2か月以内

開業の前に一度ハローワークで相談しておくと、使える制度を取りこぼさずに済みます。独立と再就職を並べて考えたい人は、求人の相場を知っておくのも一つの材料になります。

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。失業の状態にあたるかどうか、再就職手当や特例の対象になるかどうかは、個別の事情によって異なります。管轄のハローワークでご確認ください。税金の届出は、国税庁または所轄の税務署でご確認ください。

▼退職前に知っておきたいお金の相談なら▼

PR:社会保険給付金サポート【退職コンシェルジュ】
ABOUT ME
退職くま人事
退職くま人事
会社やめる前のお金メモ
“もらえるお金”を知って、不安のまま辞めないために。 次の一歩を踏み出せる情報を発信しています

記事URLをコピーしました