転職理由の例文|面接でそのまま話せる1分の答え方と、深掘りへの返し方
「キャリアアップのためです」。面接でそう答えたら、「今の会社ではできないんですか?」と返されて言葉に詰まった。
転職理由は、前向きな理由ほど深掘りされます。理由そのものより、「なぜ今の会社ではだめなのか」「なぜ今なのか」まで話せるかが見られているからです。
この記事では、前向きな転職理由を、面接でそのまま話せる1分の例文にしてまとめます。深掘りされたときの返し方も紹介します。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。この記事は2026年10月時点の一般的な情報です。例文はそのまま使わず、自分の経験に合わせて書き換えてください。
面接で何を見られているのかを、採用する側の目線で教えてくれる転職エージェントもあります。
転職理由と退職理由の違い
似ていますが、向いている方向が違います。
| 退職理由 | 転職理由 | |
|---|---|---|
| 答えること | なぜ今の会社を辞める(辞めた)のか | なぜ転職して、次に何をしたいのか |
| 時間の向き | 過去 | 未来 |
| よく聞かれる場面 | 履歴書の退職理由欄、面接 | 面接(「転職を考えたきっかけは?」) |
面接ではほぼ同じ意味で聞かれることも多いので、辞める理由(事実)から、次にやりたいこと(未来)までを一続きで話せるようにしておくのが基本です。
本音が「人間関係」「残業」「給料」などで、どう言い換えればいいか迷っているなら、先にこちらを読んでおくと安心です。9つのパターン別に言い換えをまとめています。

1分で話せる転職理由の型
前向きな転職理由は、次の3つを順に話すと1分(300字前後)に収まります。
①きっかけ:今の仕事で、何をしてきて、何を感じたか(事実)
②今の会社では難しい理由:試したこと、それでも難しかった理由(事実)
③次にやりたいこと:だから、こういう環境で、こう働きたい
②がいちばん大事です。ここが抜けると「今の会社でもできるのでは?」と思われます。会社の悪口ではなく、仕組みや環境の事実として話すのがコツです。
③のあとに「御社は◯◯なので」と続ければ、そのまま志望動機につながります。志望動機の作り方は転職の志望動機の書き方にまとめています。
理由別・1分の例文8つ
1. キャリアアップ(専門性を深めたい)
前職では4年間、経理として日々の伝票処理と月次決算の補助を担当してきました。仕事を覚えるにつれて、決算や税務まで含めて経理の業務全体に関わりたいと考えるようになりました。上司にも相談しましたが、今の会社では決算業務を外部の会計事務所に任せており、社内で担当できる範囲が限られています。そこで、決算まで社内で行っている会社で、経理の専門性を深めたいと考え、転職を決めました。
2. キャリアアップ(チームをまとめる立場に)
前職では6年間、法人営業を担当し、ここ2年は後輩3人の指導も任されてきました。後輩の成長を支える中で、チーム全体の成果に責任を持つ立場で働きたいと考えるようになりました。ただ、今の会社は年次で役職が決まる仕組みで、管理職のポストが空くのは数年先になる見込みです。これまでの営業と指導の経験を生かし、早い段階からチームをまとめる役割に挑戦できる環境で働きたいと考えています。
3. 新しいことに挑戦したい(職種を変える)
前職では5年間、販売スタッフとして店舗で接客をしてきました。店舗の売上を分析して発注や陳列を考える業務を任されるうちに、数字をもとに改善を考える仕事に面白さを感じるようになりました。社内で本部の職種への異動を希望しましたが、募集がほとんどなく、実現は難しい状況です。接客で身につけたお客様目線を生かしながら、データをもとに売り場を考える仕事に挑戦したいと考え、転職を決めました。
4. 業界を変えたい(違う仕事がしたい)
前職では人材派遣の会社で4年間、派遣スタッフの方のフォローを担当してきました。働く人の相談に乗る中で、職場の環境そのものを良くする側に関わりたいと考えるようになりました。今の仕事は派遣先の会社に意見を伝える立場で、職場の仕組みに直接関わるのは難しいと感じています。これまでの、人の話を聞いて調整する経験を生かして、事業会社の人事として、働きやすい職場づくりに関わりたいと考えています。
5. 働き方を整えたい(長く働き続けるために)
本音が「残業が多い」でも、長く働き続けるための選択として話すと伝わり方が変わります。
前職では5年間、制作会社でWebサイトの進行管理を担当してきました。業務の手順を見直して効率化に取り組んできましたが、受注の仕組み上、急な修正対応が多く、働く時間を自分で見通すのが難しい状況でした。今後も長くこの仕事を続けていくために、計画を立てて進められる環境で、これまでの進行管理の経験を生かしたいと考え、転職を決めました。
6. 結婚・引っ越しなど、家庭の事情
家庭の事情は、そのまま事実として伝えてかまいません。大事なのは「今後は長く働ける」ことを添えることです。
前職では東京の本社で3年間、営業事務を担当してきました。結婚を機に、来年1月に夫の勤務地である大阪へ引っ越すことになりました。会社に相談しましたが、大阪に事業所がないため、退職して転職することにしました。転居後は生活が落ち着く見込みで、腰を据えて長く働きたいと考えています。前職の営業事務の経験を、こちらでも生かしたいと考えています。
7. 伸びている分野で経験を積みたい
会社の将来への不安が本音の場合も、「どんな分野で経験を積みたいか」に置き換えます。
前職では紙の印刷物を扱う会社で、4年間、法人営業を担当してきました。お客様から「Webでの集客も相談したい」と言われることが年々増え、デジタルの分野で提案できる力を身につけたいと考えるようになりました。社内でもWebの商材を扱う動きはありましたが、規模が小さく、担当できる機会は限られています。これまでの法人営業の経験を土台に、Web広告の提案に専門的に取り組める環境で働きたいと考えています。
8. 非正規から正社員へ
契約社員として3年間、コールセンターで問い合わせ対応を担当し、昨年からは新人の研修も任されてきました。より責任のある立場で、長く腰を据えて働きたいと考えるようになりましたが、今の職場では契約社員から正社員になる制度がありません。これまでの対応の経験と研修の経験を生かし、正社員として長く貢献できる会社で働きたいと考え、転職を決めました。
自分の場合はどう話せばいいか、一人で組み立てるのが難しいときは、模擬面接で話す練習まで付き合ってくれる転職エージェントを使う方法もあります。

深掘りされたときの返し方
転職理由のあとには、たいてい追加の質問が来ます。よくある4つを準備しておきましょう。
| 深掘りの質問 | 面接官が確かめたいこと | 返し方のポイント |
|---|---|---|
| 今の会社で異動や昇進はできないの? | 本当に転職が必要なのか | 実際に相談した・希望を出した、という行動の事実を話す |
| なぜ今なの? | 勢いで辞めようとしていないか | 「◯年経験を積んで、◯◯ができるようになったから」など、区切りの理由を話す |
| うちに入っても、また辞めない? | 同じ理由で辞めないか | 転職理由と、応募先の環境が合っている点を具体的に話す |
| 年収を上げたいのが一番の理由では? | 条件だけで選んでいないか | 否定しすぎない。「評価のされ方」と「やりたい仕事」の両方を話す |
深掘りに答えられないのは、たいてい例文を覚えただけのときです。①〜③のそれぞれについて、「具体的には?」と聞かれても答えられる材料を、1つずつ用意しておくと安心です。
面接でよく聞かれるほかの質問は、転職の面接でよく聞かれる質問にまとめています。
やりがちなNG
| NG | なぜダメか |
|---|---|
| 「成長したいから」だけで終わる | 何をどう成長したいのかが分からない。具体的な仕事で話す |
| 志望動機とまったく同じことを言う | 「辞める理由」が抜けている。今の会社では難しい事実を入れる |
| 今の会社の悪口になる | 他責の人に見える。仕組みや環境の事実として話す |
| 3分以上話す | 要点がぼやける。1分(300字前後)に収める |
| 書類と面接で言うことが違う | 一貫性がないと不信感につながる。履歴書の退職理由と合わせる |
よくある質問

転職理由が複数あるときは?
面接では、いちばん伝えたい1つに絞って話します。ほかの理由は、深掘りされたときに補足すれば十分です。並べすぎると、どれが本当の理由か分からなくなります。
本当の理由は給料です。正直に言っていい?
給料を理由にすること自体は悪いことではありません。ただ、それだけだと「条件が良い会社があればまた移るのでは」と受け取られやすくなります。「成果が評価に反映される環境で働きたい」のように、評価のされ方とあわせて話すのがおすすめです。年収の希望をどう伝えるかは年収交渉のやり方にまとめています。
転職回数が多いと、転職理由はどう話せばいい?
一つひとつの転職を細かく弁解するより、これまでの転職に共通する軸(「◯◯の仕事を深めるために移ってきた」など)を話すほうが伝わります。そのうえで、今回の会社で長く働きたい理由を添えましょう。
在職中です。「なぜ辞めずに活動しているのか」と聞かれますか?
在職中の転職活動はめずらしくないので、それ自体を問題視されることは少ないです。聞かれたら、「次の職場をしっかり選びたいので、働きながら活動しています」で十分です。在職中の進め方は在職中の転職活動がバレる5つの原因にまとめています。
体調を崩して辞めた場合は?
体調が理由の場合は、「現在は回復していて、業務に支障はない」ことを添えて、事実を簡潔に伝えます。詳しい伝え方は、上で紹介した履歴書の退職理由の書き方の表を参考にしてください。
まとめ
- 転職理由は「辞める理由(事実)から、次にやりたいこと(未来)まで」を一続きで話す
- 型は「きっかけ → 今の会社では難しい理由 → 次にやりたいこと」。1分(300字前後)
- いちばん大事なのは「今の会社では難しい理由」。悪口ではなく、仕組みや環境の事実で
- 家庭の事情は、事実として伝えて「今後は長く働ける」を添える
- 「異動できないの?」「なぜ今?」「また辞めない?」の深掘りに答える材料を用意しておく
- 本音がネガティブなら、退職理由の言い換え9パターンを参考にする
転職理由は、話す練習をするほど自然になります。模擬面接で聞いてくれる相手がいると、本番で詰まりにくくなります。

※本記事は2026年10月時点の一般的な情報です。応募先や個別の事情によって、適した伝え方は異なります。

