退職後にもらえるお金の完全ガイド|給付金・手当・還付金を状況別に全解説
会社を辞めたあと、どんなお金の支援を受けられるのかを把握している人は多くありません。
「失業手当だけもらえればいい」と思っていたら、実は他にも受け取れる給付があった——そんなケースが珍しくないのが現実です。退職後に使える制度は、失業手当だけでなく、傷病手当金・再就職手当・職業訓練給付金・確定申告還付など、状況によって複数が重なります。
このページでは、退職後に使えるお金の制度を時系列と状況別に整理しました。「自分はどの制度が使えるか」を確認するハブページとして活用してください。
この記事は2026年6月時点の情報です。各制度の詳細は変更されることがあります。リンク先の個別記事および各機関の窓口でご確認ください。
退職後に使えるお金の制度 全体像

| 制度名 | 主な対象者 | 金額の目安 | 申請先 |
|---|---|---|---|
| 失業手当(基本手当) | 雇用保険加入者 | 給与の50〜80% | ハローワーク |
| 傷病手当金 | 社会保険加入・病気/ケガで退職 | 給与の約2/3 | 健康保険組合等 |
| 再就職手当 | 失業手当受給中に早期就職 | 残給付日数の60〜70% | ハローワーク |
| 就業促進定着手当 | 再就職手当受給後に給与が下がった | 差額ベース | ハローワーク |
| 職業訓練受講給付金 | 雇用保険なし・終了後の人 | 月10万円+交通費 | ハローワーク |
| 専門実践教育訓練給付金 | 雇用保険2年以上加入 | 学費の50〜70% | ハローワーク |
| 広域求職活動費等(4種) | 失業手当受給中 | 実費〜費用の20% | ハローワーク |
| 未払賃金立替払制度 | 会社倒産・給料未払い | 未払いの80% | JOHAS |
| 所得税還付(確定申告) | 年途中退職者 | 数万〜数十万円 | 税務署 |
これらをすべて受け取れるわけではありません。自分の状況(雇用保険の有無・退職理由・就職活動の進捗)に合わせて、使える制度を組み合わせるのが基本です。
時系列ロードマップ|退職直後から1年間でやること

退職後のタイミング別に、動くべき制度をまとめます。
退職直後〜1か月以内
- ハローワークへ求職登録:失業手当の受給資格確認と手続き開始
- 健康保険の切り替え:任意継続 or 国民健康保険を選択
- 国民年金への切り替え(会社の厚生年金から)
- 病気・ケガで退職した場合:傷病手当金の継続受給を確認
1〜3か月後(失業手当の給付開始前後)
- 失業認定:ハローワークへ定期的に来所し、求職活動を報告
- 給付制限期間(自己都合退職の場合は2か月)が終わり次第、給付開始
- スキルアップを検討:職業訓練受講給付金や専門実践教育訓練給付金の情報収集
3〜6か月後(就職活動の本格化)
- 遠方の面接:広域求職活動費の事前申請を忘れずに
- 子育て中の方:求職活動関係役務利用費(保育費補助)を活用
- 資格・スキル取得:教育訓練給付金や短期訓練受講費を確認
再就職が決まったら
- 再就職手当:就職日の翌日から1か月以内に申請
- 引越しが必要なら:移転費の申請(事前相談が必要)
- 給与が下がった場合:再就職後6か月経過時点で就業促進定着手当を確認
翌年1月〜(確定申告)
- 所得税の還付申告:年途中退職なら払いすぎた税金が戻る
- 住民税の納付:前年収入をもとにした請求書が6月頃に届く(要準備)
状況別ガイド|自分はどの制度が使える?

雇用保険に入っていた人
まず失業手当を申請してください。ハローワークへの登録から給付開始まで約1〜3か月かかります。就職活動を進めながら、以下の追加給付も活用できます。
- 遠方への面接 → 広域求職活動費
- 早期に就職が決まった → 再就職手当
- 再就職後に給与が下がった → 就業促進定着手当

雇用保険に入っていなかった人・給付が終わった人
パート・フリーランス・自営業をやめた人や、失業手当の受給が終わっても就職できていない人は職業訓練受講給付金(求職者支援制度)を確認してください。無料の職業訓練を受けながら月10万円+交通費が受け取れます。

病気・ケガで退職した人
在職中から社会保険に加入していた場合、退職後も傷病手当金を継続して受け取れる可能性があります。給与の約2/3が最長1年6か月間支給されます。

会社が倒産した人
給料が払われないまま会社が倒産した場合は、未払賃金立替払制度で国が未払い額の最大80%を立て替えてくれます。倒産確定から2年以内に申請が必要です。

資格取得・スキルアップをしたい人
雇用保険に2年以上加入していた人は専門実践教育訓練給付金で学費の最大70%が補助されます。看護師・保育士・IT資格など幅広い講座が対象です。

年途中で退職したすべての人
退職した年に年末調整を受けていない場合、所得税を払いすぎています。翌年1月から確定申告で還付を受けられます。5年以内なら申告可能です。

失業手当受給中に使えるハローワークの追加給付

失業手当を受給しながら、申請忘れが多い給付金が4つあります。窓口から積極的に案内されないため、自分から申し出ることが重要です。
- 広域求職活動費:ハローワーク紹介の遠方面接に行ったら交通費・宿泊費が実費で戻る
- 移転費:就職先が遠方で引越しが必要なら費用が支給される
- 求職活動関係役務利用費:面接・訓練中に保育所を利用したら費用の80%が戻る
- 短期訓練受講費:ハローワーク推薦の短期講座を受けたら費用の20%が補助される

再就職後に受け取れるお金

早く再就職できた場合、失業手当の残日数に応じた「お祝い金」が受け取れます。早く決めるほど金額が増える仕組みです。

再就職先で給与が前職より下がった場合は、再就職手当に加えて就業促進定着手当も受け取れる場合があります。

申請を忘れずに!見落とされがちな3つのポイント

1. 給付は「申請しないともらえない」
日本の給付金制度は原則申請主義です。条件を満たしていても、自分で申請しなければ支給されません。特に、ハローワークの追加給付(広域求職活動費・求職活動関係役務利用費など)は窓口から案内されないことが多いです。
2. 受給期間に期限がある
失業手当の受給期間は離職日の翌日から1年間です。この期間を過ぎると、残日数があっても受け取れなくなります。再就職手当も「就職日の翌日から1か月以内」と期限が決まっています。動き出しが遅いと受け取れなくなるものが多いため、早めに各窓口へ相談してください。
3. 住民税の後払い請求に備える
退職後の家計で最も驚くのが住民税の翌年一括請求です。在職中は給与天引きされていた住民税が、翌年6月に自分で支払う形になります。退職後に収入がない時期に数万円〜十数万円の請求が来るため、事前に確保しておくことが重要です。
よくある質問

退職後にもらえるお金で一番多いのはどれですか?
個人の状況によって異なります。給与水準が高く、長期間受給できる失業手当が最も大きくなるケースが多いですが、早期就職で再就職手当を受け取ったり、病気で退職して傷病手当金を受給したりする場合は、そちらが上回ることもあります。
複数の給付を同時に受け取れますか?
制度によって異なります。失業手当と傷病手当金は原則として同時には受け取れません(退職後の傷病手当金は失業手当の受給期間を「延長」してから受け取る形になります)。一方、失業手当受給中に広域求職活動費を受け取ることは可能です。詳しくはハローワークへ確認してください。
退職後の手続きはどこに相談すればよいですか?
雇用保険関連(失業手当・再就職手当・各種給付)→ 管轄のハローワーク健康保険・年金→ 市区町村の窓口または年金事務所傷病手当金→ 加入していた健康保険組合・協会けんぽ確定申告→ 税務署またはe-Tax(国税庁ウェブサイト)未払賃金立替払→ 労働基準監督署またはJOHAS
失業手当をもらうと確定申告は不要ですか?
失業手当は非課税のため、確定申告に含める必要はありません。ただし年途中で退職している場合は、給与収入分について払いすぎた所得税の還付申告ができます(任意)。
まとめ
退職後に使えるお金の制度は、失業手当だけではありません。状況ごとに使える制度をまとめます。
- 雇用保険あり → まず失業手当。就職活動中はハローワークの追加給付も活用
- 雇用保険なし・終了後 → 職業訓練受講給付金(求職者支援制度)
- 病気・ケガで退職 → 傷病手当金(退職後も継続受給できる)
- 会社倒産 → 未払賃金立替払制度(国が最大80%立て替え)
- スキルアップ → 専門実践教育訓練給付金(学費の最大70%補助)
- 再就職が決まった → 再就職手当(早いほど高額)
- 年途中退職は全員 → 確定申告で所得税還付
「どの制度が使えるかわからない」場合は、まずハローワークへ相談してください。複数の制度にまたがる場合でも、担当者が整理して案内してくれます。
※本記事は2026年6月時点の一般的な情報です。制度の詳細・要件は改正や個人の状況により異なります。各機関の窓口でご確認ください。
