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無職の国民健康保険はいくら?前年所得で決まる仕組みと安くする方法【退職後の保険料】

masahiro

退職して収入がゼロになったのに、国民健康保険の通知を開いたら想像以上の金額——これ、国保あるあるの筆頭です。

理由はシンプルで、国保の保険料は「今の収入」ではなく「前年の所得」で計算されるから。今年無職でも、去年しっかり働いていた人には、去年の所得に応じた請求が来ます。

この記事では、無職の場合の国保の計算の仕組みとざっくりした目安額、そして本題の「安くする方法」(退職理由による軽減・減免・他の選択肢との比較)を、順番に解説します。

この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料率・減免基準は自治体により大きく異なります。正確な金額は必ずお住まいの市区町村で試算してもらってください。

なぜ無職なのに高い?保険料が決まる仕組み

国民健康保険料が決まる仕組み

国保の保険料(保険税)は、ざっくり言うと次の組み合わせです。

  • 所得割:前年の総所得金額等から基礎控除(原則43万円)を差し引いた「算定基礎額」× 自治体ごとの料率。ここが金額の主役です(給与収入の場合は、年収そのものではなく給与所得控除後の「給与所得」がベース)
  • 均等割:加入者1人あたりの定額。所得ゼロでもかかります
  • (自治体により)平等割:1世帯あたりの定額

ポイントは2つ。

  1. 計算のベースは「前年1月〜12月の所得」。退職した年の保険料は、働いていた頃の所得で計算されるため高くなりがちです
  2. 所得ゼロでも均等割はかかる。「無職=タダ」にはなりません(低所得世帯には均等割の法定軽減があります。後述)

なお、保険料は世帯単位で計算され、世帯主に請求が届きます。また、年度の途中で加入した場合は月割りで計算されます。

ざっくり目安:高いのは「前年に所得がある年度」だけ

無職の国民健康保険料の目安

自治体差が大きい前提で、単身・40歳未満のイメージです(介護分がかかる40〜64歳はこれより高くなります)。

  • 退職1年目(前年に給与収入あり):前年の年収300万円前後なら月2万円前後、年収500万円前後なら月3〜4万円台になる自治体が多め。「無職なのに」と感じる金額になりやすいゾーンです
  • 前年の所得がほぼゼロになった年度から:所得割がなくなり、均等割・平等割も7割・5割・2割の法定軽減の対象になれば、月2,000〜5,000円程度まで下がるケースが一般的です

つまり、きついのは「前年に給与所得がある年度」だけという構造です。注意点として、保険料は年度単位で前年1〜12月の所得を見るため、年の後半に退職した人は、翌年度も高い保険料が続きます(例:12月退職なら翌年度もその年の給与所得で計算)。高い期間を軽減・減免と貯金で乗り切れば、その先は大きく下がります。

正確な額を知る方法:市区町村の国保窓口に前年の源泉徴収票(または退職後に届く住民税の通知)を持って行けば、その場で試算してもらえます。多くの自治体はWebに計算例や自動計算シートも載せています。

安くする方法①:退職理由による軽減(最重要)

退職理由による国保料の軽減制度

退職後の国保でまず確認すべきが、非自発的失業者向けの軽減制度です。

  • 対象:倒産・解雇・雇い止めなどで離職した人(雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者。離職時65歳未満)
  • 内容:保険料の計算で、前年の給与所得を30%とみなして所得割を算定。結果として所得割が大幅に下がります
  • 期間:離職日の翌日から、その翌年度末まで
  • 手続き:市区町村の窓口へ届出が必要です。原則として、離職理由コードが記載された「雇用保険受給資格者証」または「雇用保険受給資格通知」を持参します(必要書類は自治体に確認を)

自己都合退職でも、長時間労働やハラスメント等が理由で「特定理由離職者」等と判定されれば対象になり得ます。離職理由の確認はハローワークで:離職票の見方と離職理由

このほか、所得が一定以下の世帯への均等割の法定軽減(7割・5割・2割)は申請不要で自動判定されます(ただし世帯全員の所得の申告が必要。無収入でも住民税の申告をしておくのが大事です)。

安くする方法②:そもそも国保以外が安いかも

国保以外の選択肢との比較

退職後の健康保険は国保だけではありません。3つの選択肢の比較が先です。

  1. 家族の扶養に入る:保険料ゼロ。年収130万円未満(60歳以上・一定の障害がある方は180万円未満)などの要件があり、失業保険の受給中は日額3,612円以上(60歳以上等は5,000円以上)だと入れないのが原則です(最終判断は家族の勤務先の健康保険)。受給前・受給後だけ扶養に入る動きも実務上あります
  2. 任意継続:在職時の健保を最長2年継続。保険料は全額自己負担ですが上限があるため、前年所得が高かった人は国保より安いことが多いです。退職翌日から20日以内の申請が必須
  3. 国民健康保険:軽減が効く人(特定受給資格者等)は、任意継続より安くなるケースが多いです

ざっくりした判断軸:会社都合等で軽減が効くなら国保、効かない高所得者は任意継続、収入見込みが少ないなら扶養。詳しい比較はこちら:任意継続と国保はどっちが安い?

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払えないときの対処:放置だけはしない

国保料が払えないときの相談先

「高くて払えない」ときの動き方です。

  1. 窓口で減免・分割を相談:多くの自治体に、失業・収入激減・災害などによる独自の減免制度や、分割納付の仕組みがあります。「払えないので相談に来ました」で通じます
  2. 住民税の申告をしておく:無収入でも申告しておかないと、均等割の法定軽減が判定されず、不利になることがあります
  3. 絶対に放置しない:滞納すると督促・催告と延滞金の後、財産調査を経て預貯金や給与の差し押さえに進むことがあります。特別な事情なく原則1年以上滞納すると「特別療養費」の扱いとなり、医療機関の窓口でいったん医療費の全額を支払う必要が生じることもあります。相談すれば柔軟に対応してくれる自治体がほとんどです

国民年金にも失業特例の免除があります。保険とセットで手続きしておきましょう:

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退職後の国民年金切り替え手続き|保険料・免除申請・第3号まで解説
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退職後のお金全体の設計はこちら:貯金なしで退職しても大丈夫?退職したらやること完全ガイド

よくある質問

よくある質問

完全に無収入なら保険料はゼロになりますか?

ゼロにはなりません。所得割はゼロでも、均等割(+自治体により平等割)がかかります。世帯所得が低ければ均等割が最大7割軽減され、月数千円程度になるイメージです。

保険料はいつから発生しますか?

会社の健康保険の資格を失った日(退職日の翌日)に遡って発生します。手続きが遅れても、遡って請求されます。加入手続きは14日以内が原則です。

失業保険は「所得」に入りますか?

雇用保険の基本手当は非課税で、国保の所得割の計算にも原則含まれません。ただし扶養の収入要件(130万円/日額3,612円)の判定には含まれる点に注意してください。

年度の途中で就職したら?

就職先の健康保険に加入した時点で国保は脱退します。市区町村での脱退手続きが必要で、保険料は月割で精算されます。手続きを忘れると二重払いになるので注意を。

40歳以上だと高くなるのはなぜ?

40〜64歳は介護保険料(介護分)が国保料に上乗せされるためです。同じ所得でも40歳未満より1〜2割ほど高くなるイメージです。

まとめ

  • 国保は前年所得で計算。前年に給与所得がある年度が最も高く、前年所得がほぼゼロになった年度から大きく下がる(年後半の退職は翌年度も高い点に注意)
  • 所得ゼロでも均等割はかかる(低所得世帯は均等割・平等割に7割・5割・2割の法定軽減あり。住民税の申告を忘れずに)
  • 最優先で確認:特定受給資格者・特定理由離職者なら、前年給与所得を30%とみなす軽減が使える(翌年度末まで)
  • そもそも扶養・任意継続との3択比較が先。任意継続は退職翌日から20日以内
  • 払えないときは放置せず窓口で減免・分割の相談。相談した人には柔軟、放置した人には厳しいのが国保です

「無職なのに高い」は制度の仕組み上、初年度は避けにくい現実です。でも、軽減・減免・選択肢の比較で数万円単位の差がつきます。通知の金額を鵜呑みにする前に、窓口で一度試算してもらってください。

※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。保険料率・減免制度は自治体により異なります。正確な金額・要件はお住まいの市区町村にご確認ください。

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