失業手当のもらい方完全ガイド|条件・金額・期間・手続きをまとめて解説
会社を辞めたあと、再就職までの生活を支えてくれるのが「失業手当」です。
ただ、いざ調べると「自分はもらえる?」「いくら?」「いつから?」「手続きは?」と疑問だらけになりがちです。
この記事では、失業手当の条件・金額・期間・申請の流れを、早見表や試算例つきでまとめて解説します。受給中の注意点は詳しい個別記事へのリンクも用意したので、最初の1本としてお使いください。
この記事は2026年6月時点の情報です。制度は改正されることがあるため、最新・正確な内容は必ず管轄のハローワークでご確認ください。
30秒セルフチェック:あなたは対象?

次の項目に多く当てはまるなら、失業手当の対象になる可能性があります。
- 退職して、今は働いていない
- 働く意思と能力がある(すぐに働ける状態)
- これから積極的に求職活動をするつもり
- 雇用保険に一定期間入っていた(自己都合は2年で12か月/会社都合は1年で6か月が目安)
- 病気・ケガ・妊娠などで「すぐには働けない」状態ではない
「すぐには働けない」場合は、失業手当ではなく別の制度(後述)が対象になることがあります。
失業手当とは?(雇用保険の「基本手当」)

「失業手当」は通称で、正式には雇用保険の「基本手当」といいます。
雇用保険に入っていた人が離職し、「働く意思と能力があるのに、まだ次の仕事が決まっていない」状態のときに、再就職までの生活を支えるために支給される給付です(参考:ハローワーク|雇用保険の給付の概要)。
つまり、「失業中の人が再就職を目指す間の支え」であり、辞めた人全員が自動でもらえるお金ではありません。
失業手当をもらえる条件

主に、次の2つを満たす必要があります。
- 失業の状態にある(働く意思・能力があり、積極的に求職活動をしている)
- 被保険者期間の条件を満たす
| 離職の理由 | 必要な被保険者期間 |
|---|---|
| 自己都合(一般) | 離職前2年間に通算12か月以上 |
| 会社都合・特定理由離職者 | 離職前1年間に通算6か月以上 |
倒産・解雇などの会社都合や、やむを得ない事情での退職(特定理由離職者)は、条件が緩く、給付も手厚くなる傾向があります(参考:ハローワーク|基本手当について)。
失業手当をもらえない人・対象外のケース

次のような場合は、原則として対象外になります。
- すぐに働けない(病気・ケガ・妊娠・出産・育児など)→ 傷病手当金や受給期間の延長を検討
- 働く意思がない、家事や学業に専念する
- すでに再就職・開業している
- 被保険者期間が足りない
「すぐ働けない」場合でも、受給期間の延長制度を使えば、回復後に受給できることがあります。
いくらもらえる?(給付額の目安と試算例)

1日あたりの支給額(基本手当日額)は、退職前6か月の賃金をもとに計算されます。
- 計算式:賃金日額=離職前6か月の賃金合計 ÷ 180
- 基本手当日額=賃金日額 × 給付率(おおむね50〜80%。賃金が低かった人ほど割合が高い)
- 年齢ごとに上限額あり
試算例(モデルケース)
35歳・月給25万円・勤続7年・自己都合で退職した場合のイメージです。
- 賃金日額:約150万円 ÷ 180 = 約8,300円
- 基本手当日額:給付率を約50〜60%とすると 約4,200〜5,000円
- 所定給付日数90日 → 総額の目安は 約38〜45万円
※あくまで概算です。実際の給付率・上限額・日数は人によって異なります。正確な金額はハローワーク|基本手当についてや窓口でご確認ください。
もらえる日数【早見表】

もらえる日数(所定給付日数)は、離職理由・年齢・被保険者期間で変わります(出典:ハローワーク|基本手当の所定給付日数)。
自己都合・定年など(一般の受給資格者)※全年齢共通
| 被保険者期間 | 所定給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10年以上20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
会社都合など(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
| 年齢 | 1年未満 | 1〜5年 | 5〜10年 | 10〜20年 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90 | 90 | 120 | 180 | - |
| 30〜34歳 | 90 | 120 | 180 | 210 | 240 |
| 35〜44歳 | 90 | 150 | 180 | 240 | 270 |
| 45〜59歳 | 90 | 180 | 240 | 270 | 330 |
| 60〜64歳 | 90 | 150 | 180 | 210 | 240 |
(単位:日)会社都合のほうが、日数が手厚くなります。
いつから・いつまで?(待期・給付制限・受給期間)

- 待期期間:手続き後、まず7日間は支給されません(全員共通)。
- 給付制限:会社都合は待期後すぐ支給対象。自己都合は、その後に給付制限期間があります。2025年4月の改正で、自己都合の給付制限は原則1か月に短縮されました(以前は2か月)。
- 受給期間:原則、離職日の翌日から1年間。病気・ケガ・妊娠・育児などですぐ働けない場合は、延長できる制度があります。
※給付制限の扱いは改正が入りやすい項目です。最新はハローワーク|基本手当についてで確認してください。
申請からもらえるまでの流れ

- 退職後、会社から離職票を受け取る
- ハローワークで求職の申し込みをし、受給資格の決定を受ける
- 待期7日間(+自己都合は給付制限)
- 雇用保険説明会に参加する
- 失業認定日(原則4週ごと)に求職活動の状況を申告
- 認定後、指定口座へ振込
失業認定では、原則として一定回数以上の求職活動実績が必要です。実績が足りないと、その回の支給が受けられないことがあります。
ハローワーク初回の持ち物リスト

最初の手続き(求職申し込み)で必要になるものの目安です。
- 離職票(1・2)
- マイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 証明写真(最近のもの。マイナンバーカードがあれば不要な場合あり)
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳・キャッシュカード
※必要書類は窓口によって異なることがあります。事前に管轄ハローワークで確認すると確実です。
受給中に気をつけること

失業手当は、もらい始めてからの「申告」でつまずく人が多い制度です。特に次の3つは要注意です。
- ハローワークでの伝え方:何気ない一言で「働く意思がない」と受け取られることも → ハローワークで言ってはいけないNGワード7選
- 受給中に働いたとき:アルバイトや単発の仕事も申告が必要 → 失業手当の受給中に働いたら?申告した人は調整、隠した人は3倍返し
- 再就職が決まったとき:報告が遅れると不正受給になることも → 失業手当の未申告は危険|再就職の報告が遅れると不正受給に
退職前後に使える制度全体は働けなくなったとき使える制度の流れにまとめています。
早く再就職すると「再就職手当」がもらえる

失業手当の受給中に早く再就職した場合、一定の条件(支給残日数が所定給付日数の3分の1以上残っている など)を満たせば、再就職手当を受け取れることがあります。
「早く決めると損」ではなく、「早く決めると手当で後押しされる」仕組みです。条件・金額・申請方法の詳細は「再就職手当とは?もらえる条件・金額・申請方法を完全ガイド」で解説しています。
よくある質問

自己都合でも失業手当はもらえますか?
もらえます。ただし被保険者期間の条件(原則2年間に12か月以上)を満たす必要があり、7日間の待期のあとに給付制限期間(自己都合)を経て支給が始まります。
申請から振り込みまで、どのくらいかかりますか?
会社都合なら、待期後の認定を経ておおむね1か月前後で初回振込が目安です。自己都合は給付制限がある分、さらに時間がかかります。
パート・アルバイトでも対象になりますか?
雇用保険に加入し、被保険者期間などの条件を満たしていれば対象です。加入の有無は給与明細や離職票で確認できます。
受給中にアルバイトをしてもいい?
可能ですが、必ず申告が必要です。働いた日数・時間によって減額や繰り越しの調整が入ります。隠すと不正受給になります。
もらえる金額や日数は誰でも同じ?
いいえ。離職前の賃金・年齢・被保険者期間・離職理由によって、1人ひとり異なります。
まとめ
- 「働く意思・能力があり、まだ就職していない」失業状態の人が対象
- 被保険者期間は、自己都合2年で12か月以上/会社都合・特定理由離職者1年で6か月以上が目安
- 金額は離職前賃金の50〜80%程度、日数は90〜330日(離職理由・年齢・期間による)
- 自己都合は待期7日+給付制限(原則1か月)を経て支給開始
- 受給中は「伝え方・就労の申告・再就職の報告」に注意
まずは退職時に離職票を受け取り、早めにハローワークで求職の申し込みをするのが第一歩です。
※本記事は2026年6月時点の一般的な情報です。支給要件・金額・給付日数・給付制限などは法改正や個人の状況により異なります。正確な内容は、お住まいの管轄ハローワークで必ずご確認ください。
出典
