雇用保険被保険者証とは?どこにある・なくした時の再交付を解説
転職先から「雇用保険被保険者証を出してください」と言われて、初めて存在を知る人が少なくありません。
「そんな書類、もらった覚えがない」——本来は事業主を通じて本人に交付される書類ですが、実際には会社が退職時まで預かっている例もあります。手元にないこと自体は珍しくありません。
この記事では、この書類が何で、どこにあり、なくしたときにどうすればいいかを整理します。
この記事は2026年8月時点の一般的な情報です。手続きの詳細はハローワークや会社の運用により異なる場合があります。
雇用保険被保険者証とは?

雇用保険被保険者証は、雇用保険の被保険者番号などを確認するための書類です。
会社が雇用保険の資格取得手続きをすると、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」とともに交付され、事業主を通じて本人に渡されるのが本来の流れです。ただし、実際には会社が退職時まで預かっている例もあるため、手元にない場合はまず勤務先の人事・総務に確認してください。
確認できる主な内容
- 被保険者証:被保険者番号、氏名、生年月日
- 同時に交付される資格取得等確認通知書(被保険者通知用):資格取得年月日、事業所名など
用紙が一体になっていることがあるため、どちらに何が書かれているかは実物で確認してください。
いちばん大事なのは被保険者番号です
この番号は、転職や氏名の変更があっても原則として変わりません。過去の加入記録と結び付けて管理されます。
ただし、番号が同じであれば過去の期間が無条件に通算される、というわけではありません。基本手当の受給資格を判定するときに前職の期間を通算できるかは、離職から再加入までの期間や、過去に受給していたかどうかなどによって決まります(雇用保険の加入期間は通算できる?)。
とはいえ、転職のたびに新しい番号が発行されてしまうと、記録が分断されるおそれはあります。番号を控えておく意味は十分にあります。
サイズが小さいので見落としやすい
雇用保険被保険者証は、細長い小さな紙であることが多く、他の書類に紛れやすいという特徴があります。入社時に受け取った書類の束を確認するときは、注意して探してください。
離職票・受給資格者証との違い

名前が似た書類が多いので、整理しておきます。
| 書類 | いつもらう | 何のため |
|---|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 資格取得手続き後、事業主を通じて本人に交付 | 被保険者番号などの確認。転職先に提出する |
| 離職票(-1・-2) | 退職後、会社から送付 | 失業保険の受給手続きに使う |
| 雇用保険受給資格者証 | 受給手続き後(説明会などで交付) | 受給中に認定日ごとに使う |
| 退職証明書 | 労働者が請求したときに会社が交付 | 退職の事実を証明する。請求されれば会社は遅滞なく交付する義務がある |
混同しやすいポイント
- 転職先が求めるのは、原則「被保険者証」です。離職票ではありません
- 離職票は失業保険の手続き用なので、すぐ転職する人は使わないこともあります
- マイナンバーカードを利用する方式で受給する人は、受給資格者証に代えて受給資格通知が交付されます
離職票については離職票とは?見方と注意点、退職証明書については退職証明書とはで詳しく解説しています。
どこにある?まず会社に確認

探す場所の優先順位
- 今の会社(または前の会社)の総務・人事
- 入社時に受け取った書類一式(雇用契約書などと一緒に保管されていることがあります)
- 年金手帳や健康保険証と一緒にしまってある場所
会社が預かっている場合がある
本来は本人に交付される書類ですが、紛失防止のため、会社が入社から退職まで預かっている運用も見られます。その場合は、退職時に他の書類とあわせて返却されます。在職中に手元にないなら、人事・総務に確認してください。
退職時に受け取るべき書類
退職の際は、次のものがそろっているか確認してください。
- 雇用保険被保険者証
- 離職票-1、離職票-2(失業保険を受給する場合。転職先が決まっていても、念のため受け取っておくと安心です)
- 源泉徴収票
- 年金手帳(会社が預かっている場合)
- 健康保険資格喪失証明書(国民健康保険に加入する場合など)
退職時のチェックは退職したらやることにまとめています。
会社が返してくれない場合
「退職した会社と連絡が取りづらい」というケースもあります。その場合は、後述の再交付を使うのが早道です。会社とやり取りを続ける必要はありません。
なお、離職票が届かない場合は別の対処が必要です(離職票が届かないときの対処法)。
なくしたとき:再交付の手続き

再交付できます。 慌てる必要はありません。
手続きの流れ
- ハローワークで再交付を申請する(本人が手続きできます。会社を通じて行う場合もあります)
- 申請書に必要事項を記入する
- 本人確認書類を提示する
- 交付を受ける(その日のうちに受け取れることが多いです)
持ち物(一般的な例)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 分かれば、以前勤めていた事業所の名称・所在地(記録を特定しやすくなります)
どのハローワークで手続きできるか
本人が申請する場合、原則として最寄りのハローワークで手続きできます。窓口・受付時間・郵送対応は所によって異なるため、行く前に電話で確認しておくと確実です。
手数料はかかりません。
「番号だけ知りたい」という場合
転職先から「被保険者番号を教えてほしい」と言われただけなら、書類そのものより番号が分かれば足りることもあります。ハローワークで加入記録を照会すれば確認できます(雇用保険の加入期間は通算できる?)。
番号が複数ある場合
過去に別の番号が発行されていた可能性がある場合は、窓口でその旨を伝えてください。記録の統合について相談できます。放置すると、加入期間が分断されたまま扱われるおそれがあります。
転職先に提出するときの注意

なぜ提出が必要か
転職先は、あなたの雇用保険の資格取得手続きを行います。その際、既存の被保険者番号で処理するために番号が必要になります。提出するのは、被保険者証または被保険者番号が確認できる資料です。
提出のタイミング
入社時、または内定後の書類提出の際に求められるのが一般的です。入社前に手元にあるか確認しておくと、慌てずに済みます。
手元にない場合の伝え方
「前職が預かっていて、まだ返却されていません」「紛失したので再交付を申請します」と、正直に伝えて構いません。
手元になくても、転職先やハローワークが、氏名・生年月日・前職の情報などから既存の番号を確認できる場合があります。新しい番号を取得してしまう前に、既存番号の有無を確認してもらうのが大切です。
コピーを取っておく
受け取ったら、スマートフォンで撮影するか、コピーを保管しておいてください。番号さえ控えてあれば、次に紛失しても慌てずに済みます。
在職中に自分の加入状況を確認したいとき
給与明細に雇用保険料の控除があるかどうかが、加入しているかの目安になります。控除がないのに加入要件を満たしていそうな場合は、加入漏れの可能性があるため、ハローワークに相談してください(失業保険がもらえないケース)。
よくある質問

一度も受け取った記憶がありません。加入していないのでしょうか?
加入していないとは限りません。本来は本人に交付される書類ですが、会社が預かっていることがあります。まず勤務先の総務・人事に確認してください。給与明細に雇用保険料の控除があれば、加入している可能性が高いといえます。
転職先には原本を渡すのですか?
会社の運用によります。原本を預ける場合も、番号の確認だけで返却される場合もあります。渡す前に撮影して控えを残しておくと安心です。
被保険者番号は転職すると変わりますか?
原則として変わりません。転職や氏名の変更があっても、同じ番号で記録が管理されます。ただし、手続きの経緯によっては新しい番号が発行されてしまうことがあるため、心当たりがあれば窓口で統合を相談してください。
再交付に費用はかかりますか?
かかりません。本人確認書類を持参すれば、多くの場合その日のうちに受け取れます。
退職した会社が返してくれません。
会社とやり取りを続けるより、ハローワークで再交付を受けるほうが早く解決します。離職票が届かない場合は、あわせてハローワークに相談してください。
アルバイトでも交付されますか?
雇用保険に加入していれば交付されます。加入要件(週の所定労働時間20時間以上、31日以上の雇用見込みなど)を満たしていたかがポイントです。
まとめ
- 雇用保険被保険者証は、被保険者番号などを確認するための書類。本来は事業主を通じて本人に交付される
- 重要なのは被保険者番号。転職や改姓でも原則変わらない。ただし番号が同じ=期間が必ず通算される、ではない
- 会社が預かっている場合がある。手元になければ、まず人事・総務に確認する
- 離職票(失業保険の手続き用)とは別物。転職先が求めるのは通常こちら
- なくしても最寄りのハローワークで無料で再交付できる。本人確認書類を持参すればその日に受け取れることが多い
- 受け取ったら撮影して番号を控えておく
小さな紙ですが、加入期間の記録につながる書類です。退職のときに、返却されたかどうかだけは確認してください。
※本記事は2026年8月時点の一般的な情報です。再交付の受付窓口や必要書類は運用により異なる場合があります。詳細は管轄のハローワークにご確認ください。

